先生があなたに伝えたいこと / 【河岡 大悟】現在は、年齢による痛みやしびれも、身体への負担が少ない手術で治療できるようになっています。【佐々木 威治】患者さんごとに症状や病変を慎重に見きわめ、安全性の高い手術をご提案しています。

先生があなたに伝えたいこと

【河岡 大悟】現在は、年齢による痛みやしびれも、身体への負担が少ない手術で治療できるようになっています。【佐々木 威治】患者さんごとに症状や病変を慎重に見きわめ、安全性の高い手術をご提案しています。

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 河岡 大悟 先生

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院
かわおか たいご
河岡 大悟 先生
専門:脊椎脊髄

河岡先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 東京オリンピックが気になります。幼少期からサッカーをしていたことからサッカー観戦が好きで、チケットを取って夏休みを確保していましたが、すべてキャンセルになって残念です。

2.休日には何をして過ごしますか?
 子どもがまだ寝ている朝方にジョギングを済ませ、その後は公園で遊んだり、妻の買い物のために車の運転をしたりなど、家族サービスをしています。

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 佐々木 威治 先生

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院
ささき たけはる
佐々木 威治 先生
専門:脊椎脊髄

佐々木先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 私は中学、高校時代に柔道をしていたので、東京オリンピックで柔道が見たいです。今の感染状況で、無事に開催されるのか心配です。

2.休日には何をして過ごしますか?
 ゴルフが好きなのですが、最近はコロナ禍で行けないので、スマホのゲームなどで気分転換しています。

先生からのメッセージ

現在は、年齢による痛みやしびれも、身体への負担が少ない手術で治療できるようになっています。(河岡先生)
患者さんごとに症状や病変を慎重に見きわめ、安全性の高い手術をご提案しています。(佐々木先生)

このインタビュー記事は、リモート取材で編集しています。

Q. 代表的な脊椎脊髄の疾患について教えてください。

佐々木先生:腰であれば腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)圧迫骨折(あっぱくこっせつ)などがあります。
頸椎や胸椎にも腰と同様にヘルニア、狭窄症があります。頸椎・胸椎には特に後縦靭帯骨化症や黄色靭帯骨化症(どちらも特定疾患)という特殊な病態もあります。

後縦靭帯骨化症

Q. それぞれの疾患について具体的に教えてください。

佐々木先生:腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状は間欠性跛行(かんけつせいはこう)という、歩行中に脚のしびれや脱力が出現し歩けなくなりますが、少し休憩すると回復し歩けるようになるという症状です。
河岡先生:また年齢不相応の頻尿や残尿感、尿が漏れる人や、男性で「前立腺はそれほど大きくないが・・・」と言われていながらも前立腺肥大の薬を飲み続けている人の中に、実は腰が原因で排尿障害が出ている人も少なくありません。
佐々木先生:腰椎は椎骨(ついこつ)が連なってできていて、椎骨と椎骨の間にある椎間板(ついかんばん)が腰の関節となります。これが年齢的な変化で変形し、神経の通り道である脊柱管を圧迫することで、神経痛が出るのが腰部脊柱管狭窄症です。

正常な脊椎の断面図 脊柱管狭窄症の断面図

河岡先生:腰椎椎間板ヘルニアも足のしびれや脱力で発症することもありますが、なんといっても左右どちらかのお尻から脚にかけての激痛が代表的な症状でしょう。
椎間板は骨と骨の間でクッションのような役割を果たしています。構造はまんじゅうのようになっていて、繊維輪(せんいりん)という"硬い皮"が髄核(ずいかく)という柔らかい"あんこ"を包む構造でショックを吸収しています。その"あんこ"が飛び出してしまった状態がヘルニアです。

ヘルニア

佐々木先生:圧迫骨折は閉経後の女性に多くみられます。畳の上で尻もちをつく程度でも腰の骨が"グチャッ"とつぶれ、激痛のために動けなくなり救急車で入院される方もいます。私たちが積極的に治療を勧めるのは圧迫骨折が多発すると背中が丸まってしまうことで胃が圧迫され、胸やけや食が細くなってしまい全身的な衰弱につながり寿命が縮まると言われているからです。

Q. どのような方が、これらの疾患にかかりやすいですか?

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 河岡 大悟 先生 医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 佐々木 威治 先生佐々木先生:腰部脊柱管狭窄症は加齢性の変化によるため、年齢が上がるとかかりやすくなります。肉体労働などで腰に負担がかかる職業の方には起こりやすいなどといわれていますが、もちろん個人差があります。
河岡先生:当院は全国的に有名な"八女茶"の産地にあり、周辺では農作業に従事されている方が多く、さらに八女市は全国平均よりも平均年齢が高いため脊椎にトラブルがある人が多い印象です。私たちは年齢よりも"見た目年齢"という言葉をつかい、90歳を超えていても「この患者さんは実年齢より若い」と判断すれば積極的に老後を楽しんでもらうため手術を勧めることにしています。

Q. どのような治療計画になりますか?

河岡先生:まずは痛み止めの内服薬からスタートします。そして痛みが治まらない場合や強い痛みの場合はブロック注射を追加し、時間の経過とともに症状が落ち着くか様子を見ます。それでも日常生活に支障があるほど痛みが強い、あるいは徐々に麻痺が出る場合は手術をお勧めします。
佐々木先生:強い痛みが続くため患者さんのほうから手術を望まれることもありますが、中には非常に我慢強い方もおられて、痛みが強いにもかかわらず、なかなか手術に踏み切れない方もおられます。しかし、そうした状態が2~3週間も続くと神経がダメージを受け回復が悪く、手術後のリハビリがきつくなるので、早めにこちらから手術をお勧めすることもあります。

Q. どのような手術なのですか?

佐々木先生:神経の圧迫を取るための除圧術がメインになります。中には、脊椎が不安定になっている、腰椎すべり症(ようついすべりしょう)を合併しているケースもあり、その際は固定術も併用します。固定術とは、椎骨がグラグラしている、または前後にすべってずれているなど不安定性がある箇所に対し、ボルトで固定する手術になります。

除圧術の例 腰椎の断面図(上方から)

腰椎すべり症

Q. 椎間板ヘルニアの手術についても教えてください。

河岡先生:ヘルニアが出る位置によって、骨・靭帯を削ってヘルニアを取るだけの手術か、もしくはボルトで固定までせざる負えない手術まで様々です。

Q. 頸椎に関してはいかがでしょうか?

河岡先生:頸椎に関しては少し複雑です。病変へのアプローチ法が2つあり、患者さんの首の前方(のどの方)または後方(首の後ろ)からかを症例によって選択します。前方手術は食道・気管・頸動脈など非常に重要な構造物があります。それらを術後長期にわたり傷つけないためになるべく人工物を入れない手術が良いと考えています。そのこだわりから3年かけて探してやっとつい最近"元祖クロワード手術機械"を手に入れました。この機械を持っている施設はおそらく日本全国で2施設しかないと思います。

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 河岡 大悟 先生Q. 手術用顕微鏡を使用しているとのことですが。

河岡先生:当院での脊髄脊椎手術には全例手術用顕微鏡を使用しています。これは病変をできるだけ拡大して見ることで、大切な組織を傷つけないように慎重に手術を行うためです。
佐々木先生:神経のまわりには細かい血管が非常に多く、肉眼やルーペなどでは判別しにくい場面でも細部まで拡大して見ることで、毛細血管の止血なども的確にできます。そのため術中の出血を極力抑えることができ、高齢者でも身体への負担も少なくできると思っています。

Q. より安全性の高い手術ができるのですね?

河岡先生:はい。さらに2019年から術中に脊髄神経をモニタリングするシステムも導入し、組織の判別のほか、神経を触りすぎていないか、適切に除圧ができているかなどをチェックしています。
佐々木先生:患者さんは全身麻酔がかかっている状態ですが、手術で神経を触り過ぎると、まるで患者さんが痛がるかのように警告音が鳴るので、コントロールすることができます。これにより神経損傷のリスクが低減でき、安全性が高まっています。

Q. 最近は、手術自体も低侵襲(ていしんしゅう:身体への負担が少ない)になってきているのですよね?

佐々木先生:例えば圧迫骨折ですが、以前はボルトで固定する大掛かりな手術をしていました。現在は進歩しており、骨折した椎体にストローのような筒を入れ、その先で風船を膨らませた空間にセメントを注入して骨を安定化させる経皮的椎体形成術(けいひてきついたいけいせいじゅつ:Baloon Kypoplasty(BKP))を行っています。キズは左右それぞれ5mmで、手術時間は30分ぐらいで終わるため体への負担が少なく、腰曲がりの予防にもなります。 

圧迫骨折

Q. 患者さんにとって、手術が受けやすくなってきているのですね。

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 河岡 大悟 先生 医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 佐々木 威治 先生河岡先生:当院の患者さんは高齢の方が多いのですが、足腰に痛みやしびれを抱えていても、最初から「高齢だから仕方がない」とおっしゃる方が大半です。しかし当院での手術は大量の出血を伴うような手術は稀なため、手術時に身体にかかる負担が軽くなっています。安全性も高まっているので、痛みを我慢し続けるのではなく、ぜひ治療にチャレンジしていただきたいです。
佐々木先生:腰の手術をすると車椅子生活になるという、誤った思い込みをされている方もおられます。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどにおいては、痛みで動けなかった患者さんでも手術をしてリハビリをし、元気に歩いてご自宅に帰られています。

医療法人 社団 慶仁会 川﨑病院 佐々木 威治 先生Q. 術後はどのような流れになりますか?

佐々木先生:手術の翌日からキズの痛みに合わせてリハビリを進めていきます。痛みには個人差があるのでそれぞれのペースで、理学療法士の指導のもと、車いすや歩行器で歩いたりする練習から行います。

Q. 退院後に気をつけなければならないことはありますか?

河岡先生:特にありませんが、しばらくは重いものを持ったり、運動はひかえてもらったりしています。口を酸っぱくして患者さんには言っていますが、一番大切なのは"正しい姿勢"です。高齢の方は特に前かがみの姿勢になりがちなので「できるだけ胸を張って威張って生活してください」と言っています。

Q. ありがとうございました。では最後に、先生方が治療において心がけていらっしゃることを教えてください。

佐々木先生:手術を勧めるかどうかの見きわめを慎重に行っています。痛みが強い場合でも、保存療法で様子を見ているうちに症状が落ち着くこともありますし、逆に圧迫が強くてそのままだと麻痺を起こすこともあります。また手術においては、症状と画像所見が一致したうえで判断するようにしています。
河岡先生:仕事をされている方は投薬で様子を見ていても、薬の副作用で車の運転ができないなど、何かとご不便なこともあり、手術をお勧めすることもあります。逆に、時間に余裕のある方にはいろいろな方法で"ねばる"こともあります。患者さんそれぞれの生活背景をベースに、個々に合った治療をご提案しています。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

河岡 大悟 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

佐々木 威治 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

リモート取材日:2020.12.7

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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