先生があなたに伝えたいこと / 【小林 洋平】膝の痛みを取って生活レベルを向上させる治療の選択肢は豊富にあります。保存治療やそのオプションとしてのPRP療法、人工膝関節置換術など、いっしょに最適な治療法を探っていきましょう。

先生があなたに伝えたいこと

【小林 洋平】膝の痛みを取って生活レベルを向上させる治療の選択肢は豊富にあります。保存治療やそのオプションとしてのPRP療法、人工膝関節置換術など、いっしょに最適な治療法を探っていきましょう。

医療法人成春会 北習志野花輪病院 小林 洋平先生

医療法人成春会 北習志野花輪病院
こばやし ようへい
小林 洋平 先生
専門:膝関節

小林先生の一面

1.最近気になることは?
チームドクターとしてサポートしているJリーグのサッカーチームの成績です。以前はJ1にいたのですが、この10年J2からなかなか上がれず、試合結果に一喜一憂しています。

2.休日には何をして過ごしますか?
休日はチームの試合に帯同することが多いですが、試合に行かない日は、家族で買い物や公園に行ったり、子どもたちと遊んだりしています。

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先生からのメッセージ

膝の痛みを取って生活レベルを向上させる治療の選択肢は豊富にあります。保存治療やそのオプションとしてのPRP療法、人工膝関節置換術など、いっしょに最適な治療法を探っていきましょう。

変形性膝関節症Q. 中高年の多くの方が膝の痛みがありながら生活していると思います。この痛みはどのようにしておこるのでしょうか?

A. 中高年以降の膝の痛みで最も多いのは変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)です。変形性膝関節症とは、膝の関節の軟骨がだんだんすり減ってきて、関節の中にある滑膜(かつまく)という組織から炎症を起こす物質が出て痛みを起こす病気です。

膝関節の軟部組織Q. よく「膝に水が溜まる」といわれますが、これも痛みの原因でしょうか?

A. 関節は関節液で満たされていて、これは関節包(かんせつほう)の内側の滑膜(かつまく)から産生・吸収されるメカニズムとなっています。滑膜に炎症が起こると産生される量が吸収できる量を上回って関節に水(関節液)が過剰に溜まっていくのです。そうすると、関節内で圧力が高まって曲げ伸ばしをする際に強い痛みを引き起こすことがあります。
膝に溜まった水を一時的に針で抜くことはありますが、炎症の原因を解消しなければいずれまた溜まるので、水を抜いた状態でヒアルロン注射をして炎症を起こりにくくするという治療も行っています。

Q. 変形性膝関節症になる原因は何でしょうか?

A. 一番の原因は加齢による軟骨の摩耗や変性です。一次性の変形性関節症は高齢の方が多いですが、肥満体型や肉体労働などで膝を酷使してきた方は平均より早く変形性膝関節症になることがあります。また、半月板の切除術後や膝の靭帯を痛めたままスポーツを続けたりした結果、二次性の変形性関節症に至ることもあります。

医療法人成春会 北習志野花輪病院 小林 洋平先生Q. 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)も原因でしょうか?

A. 男性に比べて女性は骨粗鬆症になりやすいですが、骨粗鬆症と変形性膝関節症との因果関係は明らかになっていません。変形性関節症の病態も完全には解明されていませんが、骨粗鬆症がその病態の1つとする報告もあります。高齢の患者さんでは、骨粗鬆症や変形性膝関節症脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、など色々な病態が組み合わさっている方も多いです。

Q. どのような治療法がありますか?

A. 基本的には保存治療で、まずは湿布や痛み止めの飲み薬を使いながら運動療法を行います。膝回りの筋力を強化し、可動域(かどういき:関節を動かすことができる角度)を広げるためにストレッチも重視しています。いまは湿布薬や消炎鎮痛剤の飲み薬にそれぞれ様々な種類のものが出ていますし、筋力がつくと関節にかかる負担は減るので、痛みの軽減が期待できます。

Q. 膝が痛いときにサポーターをするのも効果はありますか?

A. 仕事やスポーツをするときなど、限定的に使うぶんにはある程度支えになるでしょうが、できるだけご自身の筋力で支えてほしいので患者さんにはサポーターに頼り過ぎず、筋力訓練は怠らないように、とお話ししています。

医療法人成春会 北習志野花輪病院 小林 洋平先生Q. 保存治療で症状が改善されることは多いのでしょうか?

A. 通院レベルで湿布や飲み薬を使いながら、ときには定期的なヒアルロン酸製剤の関節内注射なども行って数ヵ月、数年単位で経過観察することもあります。そうした治療で痛みが取れていれば問題ありません。なかなか痛みが取れず、もっと活動レベルを上げたいということであれば次のステップに進むという流れになります。

Q. PRP療法という治療法もあると聞きましたが、どのような治療法なのでしょうか?

A. 多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう:Platelet-Rich Plasma)治療といって、自己治癒力をサポートする治療として近年日本でも注目されている治療法です。患者さん自身の血液の中で、組織の修復を促す成長因子を出す働きがあるとされる血小板成分を患部に投与するものです。 PRP療法は欧米では20年以上前から普及していて、当初は口腔外科で顎骨再生療法として注目され、その後、シワ伸ばしにも効果があるとして美容の領域でも広まっていきました。
整形外科領域でも、あらゆる運動器疾患への適用が研究され、論文や学会で発表されています。日本でも近年有名アスリートの治療などをきっかけに話題となり、専門外来が開設されている病院もあります。骨折や靭帯損傷などで一日も早く復帰したいトップアスリートからのニーズだけでなく、変形性関節症に対する腫れや痛みの軽減(抗炎症効果)や軟骨の修復も期待されています。当院ではまだ実施していませんが、一般の患者さんからの問い合わせも多いので準備を進めているところです(2018年10月現在)。

PRP療法

Q. どのようなメリットがあるのでしょうか?

A. まず、ご自身の血液なので副作用が起きにくく、安全性が高いことがあげられます。また、採血したその日に投与できる簡便性もあります。しかし、保険適用外で一回の投与が数万円と高価なため、保存療法のオプションとして考えていただければいいと思います。

Q. 投与すれば、すぐに効果が出るのでしょうか?

A. 即効性がある場合もありますが、通常は1~2週間かけて少しずつ効いていきます。早い段階から炎症を鎮めることができますが、傷や軟骨を修復するにはもう少し時間がかかるとみられています。まだ解明されていない部分が多いことも事実ですが、変形性膝関節症に対して明らかな抗炎症効果があり、関節内の環境を整えることで痛みを減らすこと、ヒアルロン酸より効果が高く、効能も長く続くという研究結果が発表されています。

Q. 継続的に投与する必要がありますか?

A. 海外の報告では、1回だけよりも2~3回の方が良好な結果であるというデータもあります。だいたい2〰3週間に一度、合計3回程度投与すると、半年から1年間は痛みを抑える抗炎症効果が持続することがわかっています。

Q. それでも痛みが取れなければ人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)になるのでしょうか? その判断基準は何ですか?

A. まず患者さんの関節を温存できるかどうかを検討します。温存する場合は、高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)という治療法があります。これはO脚が進行し、膝関節の内側の軟骨だけが傷んでいる場合に適用できますが、手術後は切った骨がつくまでの一定期間、松葉杖の使用や生活上の制限が必要ですから高齢の方にはお勧めできません。

O脚 高位脛骨骨切り術

Q. 関節鏡を使った手術は可能ですか?

A. 関節鏡下手術(かんせつきょうかしゅじゅつ)は、関節内の滑膜が炎症を起こす滑膜炎や、半月板損傷で滑膜の中に入り込んだ軟骨のカスを取るような手術に限られます。大きく変形した膝関節を修復することはできません。

Q. 人工膝関節にも種類があるのでしょうか?

A. 膝関節の全てをインプラントに置き換える全人工膝関節置換術(ぜんじんこうひざかんせつちかんじゅつ TKA:Total Knee Arthroplasty)と、内側または外側のどちらか一方をインプラントに置き換える単顆人工膝関節置換術(たんかじんこうひざかんせつちかんじゅつ UKA:Unicompartmental Knee Arthroplasty)とがあります。サイズ、形状には様々なタイプのものがあるので、患者さんの年齢や靭帯の機能を考慮し、術前にレントゲンやCT画像を用いたシミュレーションで適正なものを選択しています。 

全人工膝関節置換術

単顆人工膝関節置換術

Q. こちらの病院では人工膝関節置換術の手術実績が関東3位(2009年度)とのことですが、なぜこれほどたくさんの手術を行えるのでしょうか?

A. 過去に当院の根本院長がメディアで取り上げられたこともあって来院される患者さんが増えました。近隣の先生からの紹介や、手術を受けられた患者さんの口コミもあるようです。術前から術後のリハビリまでの治療スケジュールの効率化の追求や、チーム医療体制を整えてたくさん来られる患者さんひとり一人にしっかり対応できるようにしています。

Q. 先生はスポーツドクターとしても活躍されています。「男子サッカー選手との比較による女子サッカー選手の外傷・障害の特徴」という論文をご執筆されていますが、どのような特徴があるのでしょうか?

A. 同じスポーツをしていても男性と女性では体のつくりや筋肉も異なるので外傷の種類も異なります。スポーツ選手に多い前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)損傷も、女性のほうが数倍なりやすいといったデータもあります。膝関節の形状や関節の柔らかさ、遺伝的な要因、ホルモンも関与しているのではとみられています。

医療法人成春会 北習志野花輪病院 小林 洋平先生Q. 最後に、膝の痛みでお悩みの方にメッセージをお願いします。

A. 手術することに身構え、手術をすることで歩けなくなってしまうのではと思っている人もいますが、決してそんなことはありません。人工膝関節置換術は痛みを取り、生活レベルを向上させるための手段で、長期成績は安定しているので安心していただいていいと思います。
保存治療も進歩して、ヒアルロン酸などを使った治療法、最終的にはPRP療法や細胞治療などの再生医療も選択肢としてありますので、気軽にお近くの膝の専門医を受診していただければと思います。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

小林 洋平先生からのメッセージ

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取材日:2018.10.25

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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