先生があなたに伝えたいこと / 【石原 慎一】腰椎の骨折は体に負担の少ない低侵襲手術で治ります。年齢であきらめず、しっかり治して骨も丈夫にして、第二、第三の人生を元気に豊かに過ごしていただきたいと思います。

先生があなたに伝えたいこと

【石原 慎一】腰椎の骨折は体に負担の少ない低侵襲手術で治ります。年齢であきらめず、しっかり治して骨も丈夫にして、第二、第三の人生を元気に豊かに過ごしていただきたいと思います。

SUBARU健康保険組合 太田記念病院 石原 慎一 先生

SUBARU健康保険組合 太田記念病院
いしはら しんいち
石原 慎一 先生
専門:脊椎

石原先生の一面

1.休日には何をして過ごしますか?
筋トレです。一時期は今より15キロ太っていましたが、一年かけて落としました。今では風邪もひかなくなり、いいことづくめです。

2.最近気になることは何ですか?
世界情勢でしょうか。多様性が失われていく流れなのか、それとも多様性が受け入れられる時代になるのか...。今後の、日本とアジアの近隣諸国との関係も気になります。

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先生からのメッセージ

腰椎の骨折は体に負担の少ない低侵襲手術で治ります。年齢であきらめず、しっかり治して骨も丈夫にして、第二、第三の人生を元気に豊かに過ごしていただきたいと思います。

Q. 先生は腰椎の疾患を多く診られていますが、どの様な症状の方が多いのでしょうか?

A. 多いのは外傷性の骨折です。当院は重篤な患者さんを受け入れる三次救急医療機関でもあるので、様々な年齢、症状の方が受診されます。ちょっとしたきっかけで骨折される高齢の方、仕事中に高いところから転落して骨折される若年の方もいらっしゃいます。いずれも体に負担の少ない低侵襲手術(ていしんしゅうしゅじゅつ)で対応しています。

Q. 高齢の方は、何が原因で骨折をするのでしょうか?

A. 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨が脆くなっているところに、しりもちをついた、あるいは、お孫さんを抱っこしていて骨折してしまったというケースもあります。とくに70代以上の女性に多いですが、中には50代で骨折される方もいます。

Q. 先生の施設では腰椎の低侵襲手術を積極的にされているとお聞きしましたが、具体的にはどういったことをされているのでしょうか?

A. 骨粗鬆症が原因で起こる骨折の場合には、主に経皮的椎体形成術(けいひてきついたいけいせいじゅつ)を行います。潰れた椎体の中に風船を入れて膨らませるBKP(Baloon Kypoplasty)という方法で、骨の中に空洞をつくって潰れを直し、最後に空洞を骨セメントで充填して骨を固定させます。

従来の手術は、背骨の真ん中を大きく切開して行っていましたが、低侵襲手術では小さな傷を複数開けて、筋肉を剥がさずに椎弓根(ついきゅうこん)スクリューを入れて背骨を固定します。切開部分が小さく、筋肉を切る量も少ないので、体にかかる負担が少なくて済みます。以前は背骨が固定されるまで数ヵ月寝たきりになることもありましたが、いまではこの方法で手術翌日から歩くことができるようになっています。

Q. 症状によって低侵襲手術に向いていない場合もありますか?

A. 変形が強い場合には従来通りの手術が適していますが、通常の骨折であればほとんどが低侵襲手術で対応できます。術後の回復、社会復帰が早いのは低侵襲手術です。

Q. 低侵襲手術ゆえのリスクはありますか?

A. 切開部分が小さいので術者の技術が問われます。当院では、他の大事な筋肉や血管を傷つけないように、どういう角度でネジを入れるかなど、綿密に術前計画を立てています。いまはリアルタイムで術中にレントゲンを確認しながら行うこともできるので、狙ったところにほぼ的確にネジを入れることができます。

Q. 手術時間はどれくらいかかりますか?

A. 骨折の後方固定の場合、低侵襲手術では1時間から1時間半程度です。従来の手術法では2時間はかかりますから、手術時間の短縮にもつながっています。

SUBARU健康保険組合 太田記念病院 石原 慎一 先生Q. 手術時間が短くなると、どんなメリットがあるのでしょうか?

A. 高齢の方の場合には、全身麻酔が長時間に及ぶと負担が増え、感染症や血栓などのリスクも増えます。手術時間が短くなったことで、これまでは手術を見送っていた方にも手術が行えるようになったのです。

Q. 低侵襲手術で手術できる人が増えたというのは画期的です。術後のリハビリでは、具体的にはどのようなことをするのでしょうか?

A. 最初は体を起こすことから始め、慣れたらサークル型の歩行器を使ってリハビリ担当の指導を受けながら、歩行訓練を始めていただきます。

Q. 手術後に気を付けた方がいい動作などはあるのでしょうか?

A. よく患者さんからは「体の中に金属が入ることでロボットみたいな動きになるんじゃないか?」と聞かれますが、そんなことはありません。症状によっては背骨に長いネジが入るので、靴下が履きにくい、足の爪が切りにくい、和式便器が使いづらい、ということが多少はあるかもしれません。
一般的に、骨が安定するまでには最低3ヵ月、通常6ヵ月から1年はかかります。その間に他のところが骨折したり、ネジが抜けたりしないように、手術後はコルセットを着けていただくことをおすすめしています。運動制限は特にありませんが、重いものを中腰で持たないように気を付けてください。

Q. 「ネジを体の中に入れる」と聞くと、確かにちょっと怖い感じもしますが。

A. あくまでご自身の骨をいかしながら、折れたところをまたぐように入れます。複数個所が骨折していれば長いネジを入れることもありますが、短い範囲の固定だけで治ることも多いので心配はいりません。

Q. 入院期間はどれくらいですか?

A. 骨折であれば1週間程度で退院されるケースが多いです。高齢の方だともう少し長くなる傾向にありますが、それでも2週間程度見ていただければいいでしょう。術後に傷跡を診て、血液検査やレントゲンで問題がなく、ある程度歩けるようになれば退院という流れになります。

Q. 高齢で骨粗鬆症が原因の骨折となると、治ったあとに別のところが骨折することもあるのでしょうか?

A. 骨が脆いことがすべての原因ですから、併行して骨粗鬆症の治療を行うことは不可欠です。いまは骨を強くする注射や飲み薬などが色々出ていて治療の選択肢が増えていますから、組み合わせることによって術後の骨折のリスクを抑えています。患者さんの退院後の生活習慣も考慮しながら、長い目で診ていくことが大切だと考えています。

Q. 退院後の生活で注意すべきことはありますか?

A. 2~4週間後に一度受診していただき、その後も2ヵ月、3ヵ月後という具合に定期的に経過を観察していきます。あとは栄養バランスのよい食事と体を動かすことを心がけてください。大切なのは、今まで通りにどんどん歩いたり、体を動かしたりすることです。

SUBARU健康保険組合 太田記念病院 石原 慎一 先生Q. 手術を受けられた方からはどんな声がありますか?

A. 「手術を受けるまでは全然動けなかったのが動けるようになってよかった」とおっしゃる方が一番多いです。

Q. 手術後も定期的に受診することで骨の健康も診ていただけるなら心強いです。骨折をきっかけに自分の体を見直す機会にもなるかもしれません。

A. 一番よくないのは、骨折したことに気づかず、他の部分にも骨折が広がってしまうことです。それこそ寝たきりにもなりかねません。骨折したことは残念なことですが、そこで食い止めることができれば、その後の人生がより豊かなものになります。90歳代で手術される方もたくさんいますし、高齢だからといって手術をあきらめる必要はまったくありません。しっかり治療して骨も強くして、第二、第三の人生を前向きに捉えて元気に過ごしてほしいと思っています。

Q. 骨折していても気付かない方もいるのですね。

A. 骨折は激しい痛みを伴うものとは限りません。脊椎でいえば、一つひとつの骨が少しずつ壊れていく「いつの間にか骨折」になることもあるのです。骨折した時点で治療が必要なことは間違いないので、周りの人から「最近、腰が曲がってきた」とか「背が縮んだ」といわれることがあれば、一度専門医を受診するといいでしょう。

Q. 治療にあたって先生が意識していらっしゃること、モットーや座右の銘などがありましたらお聞かせください。

A. 医者として手術の技術はもちろん大切ですが、自分が患者だったらどういう治療を受けたいのか、ということを優先して治療にあたるように心がけています。座右の銘は、「人の想いに応えることがプロフェッショナル」、「これがベストなんてありえない」、「多様性を受け入れる」......まだまだありますが (笑)、常に今よりもよい方法があるのでは、と考えて治療にあたっています。

SUBARU健康保険組合 太田記念病院 石原 慎一 先生Q. 先生と出逢えたことで前向きな気持ちになれる方もたくさんいそうです。

A. 患者さんは家族と思って接していますので、前向きになっていただくことが私の一番の願いです。私は骨や関節の病気が専門ですが、たとえばその方が内科の症状で困ったことがあれば、自分が信用できる医師や医療機関を紹介したいと思っています。前の病院にいたときから通い続けてくださっている患者さんもいらして、そういう方には生涯、寄り添っていくつもりでいます。

Q. 最後に、背骨の痛みでお悩みの方にメッセージをお願いします。

A. 脊椎の関節の不調は生命にかかわるものではなく、専門医を受診してきちんと治療すれば必ずよくなります。いまは体への負担の少ない低侵襲手術が主流になっていますから、しっかり治して第二、第三の人生を前向きに歩んでいけるようになっていただきたいと思います。

石原 慎一 先生からのメッセージ

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取材日:2019.3.4

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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