先生があなたに伝えたいこと / 【坪井 競三】腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアは、内視鏡手術で治療できます。局所麻酔で低侵襲の日帰り手術も可能です。

先生があなたに伝えたいこと

【坪井 競三】腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアは、内視鏡手術で治療できます。局所麻酔で低侵襲の日帰り手術も可能です。

医療法人春秋会 城山病院 坪井 競三 先生

医療法人春秋会 城山病院
つぼい けいそう
坪井 競三 先生
専門:脊椎脊髄外科

坪井先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 ちょっと太ってきました。患者さんには常に「運動が大事です」といっているので、忙しいことを言い訳にせず自分が実践しなくてはいけないと思っています。

2.休日には何をして過ごしますか?
 子どもが3人いますのでもっぱら一緒に遊んでいます。

先生からのメッセージ

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアは、内視鏡手術で治療できます。局所麻酔で低侵襲の日帰り手術も可能です。

Q. 腰椎の疾患に悩まれている方はとても多いと思います。まず初めに、腰椎疾患の代表的なものを教えてください。

A. ご高齢の方には腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、30代や40代などの若い方には腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアが圧倒的に多いです。
腰椎は5個の椎骨が連なって構成されていて、その間にあってクッションの役割をするのが椎間板です。腰部脊柱管狭窄症は、椎間板が突出したり、骨が変形したり、黄色靱帯が厚くなることで脊柱管が狭くなり、神経の通り道である硬膜管を圧迫する疾患で、圧迫された神経が痛みやしびれを引き起こします。腰椎椎間板ヘルニアは広義では脊柱管狭窄症のひとつで、椎間板の中の髄核(ずいかく)が突出して神経根など脊柱管周囲の神経を刺激してしまう疾患です。

正常な脊椎の断面図 腰部脊柱管狭窄症の断面図

腰椎椎間板ヘルニア

Q. 具体的にはどのような症状が出るのですか?

医療法人春秋会 城山病院 坪井 競三 先生A. 症状として共通しているのは、腰から臀部(でんぶ)、足にかけての強い痛みやしびれといった、いわゆる坐骨(ざこつ)神経痛があります。さらに腰部脊柱管狭窄症の場合は、歩行すると症状が出て、しばらく休むと痛みが治まるということを繰り返す「間欠跛行(かんけつはこう)」が特徴的な症状です。

Q. 腰が悪いからといって必ずしも腰だけに痛みが出るわけではないのですね。

A. そうです。ほかにも、腰が悪いのに痛いのは膝であったという場合もあります。そこで当院では、膝、股関節など各専門医が連携して、痛みの原因と想定される部位の画像診断を必ず行い、毎週カンファレンスも実施するなどチームで検査・治療にあたっています。

Q. 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアの治療は、すぐに手術が必要なのでしょうか?

A. 初期なら保存療法が可能です。たとえば椎間板ヘルニアの場合は、安静にしていることで自然に治まることもあります。ケースバイケースですが、保存療法では痛み止めの投与やブロック注射、コルセットの装着などを同時に行います。しかし症状が好転せずに、痛みが取れない場合や、日常生活に著しい不便があるとき、特に歩行障害、排泄障害のあるときは早急に手術が必要となります。

医療法人春秋会 城山病院 坪井 競三 先生Q. 先生が設立された「低侵襲脊椎センター」では、難しい症例の患者さんに対する手術も大変多いそうですね。

A. 透析をされている方や脳梗塞(のうこうそく)、糖尿病や心臓病などといった、手術時に特別なケアが必要な患者さんも多く受け入れています。当院は他科との連携が強く、ワンチームで治療にあたっています。

Q. 特に最先端手術の症例数で全国有数とお聞きしています。それはどのような手術で、どんなメリットがあるのでしょうか?

A. 腰部脊柱管狭窄症も腰椎椎間板ヘルニアも「局所麻酔下経皮的内視鏡手術(きょくしょますいかけいひてきないしきょうしゅじゅつ)」を行っています。文字にすれば少し難しいですが、全身ではなく局所麻酔で、皮膚切開もごく小さく、そこからカメラやドリルが通る直径7㎜ほどの管を入れて、神経を圧迫している骨や靭帯を切除する手術です。ヘルニアならば椎間板ヘルニア塊を摘出します(内視鏡下椎間板ヘルニア切除術:PED)。使用する内視鏡はこれまで10㎜以上の太さのものでしたが、最新のものは7㎜まで細くなりました。また、以前は飛び出した椎間板を必要以上に大きめに切除していたのですが、そのためにあとから腰痛をおこす可能性もあり、現在では飛び出した部分だけを切除して様子をみるようにしています。ほとんどの場合では飛び出した部分だけを切除すれば問題ありませんが、内視鏡を使わない通常の切開手術では再手術を行うのが困難なため、大きめに切除していたのです。これも、内視鏡手術のメリットのひとつです。また、内視鏡下椎間板ヘルニア切除術は保険適用となっています。

内視鏡下椎間板ヘルニア切除術の例

Q. 症状の主原因となっているものだけをピンポイントで取り除くイメージでしょうか?

A. そうです。そのためにも症状の原因となっている所をきっちりと突き止めることが大切です。たとえば腰部脊柱管狭症では脊髄からわかれている神経根か、脊髄のいちばん下のおしり部分の馬尾(ばび)神経が圧迫されます。画像上、明らかに1ヵ所の神経根が悪いケースでは問題ないのですが、高齢者では何ヵ所か悪くなっていることが多くみられます。その場合は、ブロック注射などを行いながら、その中でもどれが痛みの主原因になっているのかを正確に見極める必要があります。

医療法人春秋会 城山病院 坪井 競三 先生Q. 腰部脊柱管狭窄症で複数の神経根が圧迫されている場合や腰椎にぐらつきがある場合など、どのような病態であっても内視鏡の低侵襲手術は可能なのですか?

A. ほぼ可能です。腰部脊柱管狭窄症の場合では、片側の神経根が圧迫されている場合は横から進入し、両側とも圧迫されている場合は後方から進入します。2ヵ所でも局所麻酔の適応です。どうしても3ヵ所手術しないといけない場合でも全身麻酔か、何回かに分けて局所麻酔での手術を選択することができます。また患者さんによって骨がぐらついている場合などは金属のスクリューで固定しますが、それも皮膚を少し切って経皮的(皮膚の上から)に挿入することができるので、患者さんの負担は少なく、筋肉はまったく傷つけずに施術できます。

Q. 手術時間や入院期間も短くて済むのでしょうか?

A. 手術時間は1ヵ所の神経根で準備も入れて1時間くらい、ヘルニアなら30分から1時間です。ほとんどの場合は抜糸の必要がなく2、3時間後には歩けますので、厳密には午後遅い時間の手術の場合は1泊2日になってしまいますが、基本的には日帰り手術です。
傷が小さいので感染症のリスクが低く、局所麻酔なので血圧の変動も少ないため、ほとんどの患者さんは、術後の経過が良好です。

Q. 腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアを予防することは可能なのでしょうか?

A. 現実的にはなかなか難しいのですが、患者さんは体が硬い方が多いので、運動を習慣にされるのが良いと思います。特に腰回りの筋肉を鍛えることが大事です。おすすめは全身運動である水泳や、または水中歩行です。仰向けになって足を伸ばしたままで上げ下げする運動を日課にするだけでも腰回りの筋肉を鍛えられます。

水中歩行

医療法人春秋会 城山病院 坪井 競三 先生Q. 最新の手術のお話、大変興味深く聞かせていただきました。最後に先生が整形外科医を目指された理由を教えてください。

A. 父も整形外科医で自然に同じ道を目指しました。整形外科医は常に技術の向上に取り組み、それが患者さんに還元できるということが魅力で、やりがいがある仕事だと感じています。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

坪井 競三 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2020.2.17

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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