先生があなたに伝えたいこと / 【横須賀 公章】脊椎手術の手技は日進月歩で、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性椎体骨折では低侵襲手術によって患者さんの負担が軽減されています。早めの受診と日常生活動作の見直しで症状を改善させることが期待できます。

先生があなたに伝えたいこと

【横須賀 公章】脊椎手術の手技は日進月歩で、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性椎体骨折では低侵襲手術によって患者さんの負担が軽減されています。早めの受診と日常生活動作の見直しで症状を改善させることが期待できます。

久留米大学病院 横須賀 公章 先生

久留米大学病院
よこすか   きみあき
横須賀 公章 先生
専門:脊椎脊髄

横須賀先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 やはりトランプ氏の動向でしょうか。ハワイに行ったときにはトランプホテルに泊まることにしているのですが、ビジネスマンとしてはやり手ですし、大統領選後に彼がどう出るのか気になって仕方ありません。

2.休日には何をして過ごしますか?
 14歳を筆頭に3人の子どもがいるので、休日は子どもたちの面倒をみるのに手いっぱいです。家族で買い物に行ったり、食事に出かけたりしています。

先生からのメッセージ

脊椎手術の手技は日進月歩で、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性椎体骨折では低侵襲手術によって患者さんの負担が軽減されています。早めの受診と日常生活動作の見直しで症状を改善させることが期待できます。

このインタビュー記事は、リモート取材で編集しています。

久留米大学病院 横須賀 公章 先生Q. 脊椎の疾患にはどのようなものが多いのでしょうか?

A. 脊椎で最も頻度が高いのが腰椎の疾患で、そのなかでも年齢問わず多いのは脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)です。神経の通り道である脊柱管が、靭帯が肥厚したり、中に介在物が入ったりすることで圧迫されて狭くなり、腰痛や足の痺れなどの痛みを引き起こすものです。遺伝的要素、患者さんの性差はなく、原因もはっきりとはわかっていませんが、大腿四頭筋などの筋力の衰えがベースにあるのではと考えられています。
少し歩くと痛みが出て、しばらく休むと痛みが治まるということを繰り返す「間欠跛行(かんけつはこう)」と呼ばれる症状が特徴です。

脊椎の構造

正常な脊椎の断面図 脊柱管狭窄症の断面図

脊椎の疾患には椎間板ヘルニアも多いですが、当院の患者さんで脊柱管狭窄症の次に多いのは骨粗鬆症性椎体骨折(こつそしょうしょうせいついたいこっせつ)です。骨粗鬆症のために椎体が、お麩のようにもろくスカスカになり、ふとした衝撃でつぶれるように骨折してしまうものです。閉経後の50代以降の女性に圧倒的に多く、よく「いつの間にか骨折」といわれるように、痛みもなく、本人も気づかないうちに骨折していることがあります。転倒などの外傷が原因で痛みが起こり、動けなくなって来院される方もいます。老化によって身長が縮む、腰や背中が曲がることは誰にでも起こりうることですが、短期間にそうした症状が進んだ方は注意していただきたいと思います。

腰椎圧迫骨折

コルセットの例Q. 脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性椎体骨折にはどのような治療が行われていますか?

A. 基本はコルセットを着け、リハビリと投薬治療を行いながら様子を見る保存療法を行います。コルセットを着ける目的は、楽に動けるようにして、無理な動きを防ぐためです。脊柱管狭窄症には痺れ止めや血液の流れを良くする薬を、骨粗鬆症性椎体骨折の場合には骨粗鬆症の治療薬を継続的に投与します。

Q. リハビリではどのようなことをするのでしょうか?

久留米大学病院 横須賀 公章 先生A. 患者さんには高齢の方も多いので、ハードなトレーニングではなく、あくまで日常生活動作、家の中で無理なくできるインナーマッスルを鍛える動きを指導しています。たとえば、布団で仰向けに寝た状態でお尻を上げ下げするのもインナーマッスルを鍛えるのに効果がありますし、なんといっても一番のお勧めは四股(しこ)踏みです。四股を踏めば股関節が伸びて筋肉がつき、お尻や太腿を中心に下半身全体が鍛えられます。インナーマッスルが鍛えられれば、背骨も全身も整います。もちろん、相撲取りのように高くきれいに上げる必要はなく、無理のない範囲で構いません。

Q. それでも症状が改善しない場合には手術になるのでしょうか? 手術を決断するのはどのようなタイミングですか?

A. 痛くて一歩も歩けない、足が動かないなど、日常生活に支障が出る状態が続けば、手術も検討すべきでしょう。実際に手術に至るのは70代、80代の方が多いです。

久留米大学病院 横須賀 公章 先生Q. どのような手術が行われているのですか?

A. 当院では私を含め複数名の執刀医が年間550例(2019年実績)の脊椎の手術を行っており、あらゆる脊椎の疾患に対応しています。私はできるだけ小さく切開し、手術時間を短くすることで出血量を抑え、患者さんの負担を少なくする低侵襲手術にこだわっています。
脊椎の手術は日進月歩で、設備や器具も進化し、年々さまざま術式が開発されていて、手術時の出血量もかつての十分の一、傷跡も半分程度になるなど、患者さんの負担が大幅に軽減されています。

診断 イラストQ. 手術を安全に行うために工夫されていることがあれば教えてください。

A. まずは患者さんの訴えをきちんと聞き、手術前の検査と合わせて診断し、事前に手術箇所をある程度絞り込むことで患者さんの負担を最小限に抑えるようにしています。手術は滅菌室で行っていますが、長時間に及べばそれだけ感染リスクが高まりますから、できるだけ短く、なるべく一時間程度で終えるようにしています。手術が広範囲に及ぶ場合は二回に分けて行うこともあります。

Q. 手術後のリハビリやフォローはどのようなものになりますか?

A. 手術後2、3日で歩行訓練を開始し、無理な動きをしないよう3ヵ月程度はコルセットを着けて生活していただきます。5ヵ月程度はリハビリのために定期的に通院していただき、その後は3ヵ月ごとに検診して経過を観察します。

Q. 手術後に痛みや日常生活の制限はあるのでしょうか?

A. 手術後3ヵ月もすれば痛みを訴えられる方はほとんどいらっしゃいません。患者さんにも愛好者が多いゴルフもできるようになりますし、基本的に日常生活での制限はとくにありません。できるだけ姿勢を正しくして、腰を守るようにして過ごしていただきたいと思います。

Q. 手術をした患者さんにアドバイスをお願いします。

A. 腰の悪い方は、それまでの生活で腰を酷使していて股関節がうまく使えてない方が多いので、手術をこれまでの日常生活動作を見直すきっかけにしてほしいと思います。

久留米大学病院 横須賀 公章 先生Q. 先生が整形外科医を志したきっかけがあれば教えてください。

A. 性格上、体を動かす仕事の方が性に合っていると思いましたし、触診に重きを置く診療スタイルに、人間味を感じ、惹かれたからです。

Q. 心に残る患者さんのエピソードはありますか?

A. 研修医時代から20年近く通院されている患者さんの執刀を担当できたことです。患者さんから信頼され、手術によって症状が改善でき、手術後に感謝されたことがとてもうれしかったです。

リモート取材日:2020.11.10

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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