先生があなたに伝えたいこと / 【霜村 耕太】リウマチは早く治療を始めるほど関節の変形を防ぐ可能性が高まります。痛みで日常生活に支障があり、関節の破壊が始まっている場合には手術を急いだほうがよいでしょう。いまは人工関節の機能が向上し、手術で痛みを取ることが期待できます。

先生があなたに伝えたいこと

【霜村 耕太】リウマチは早く治療を始めるほど関節の変形を防ぐ可能性が高まります。痛みで日常生活に支障があり、関節の破壊が始まっている場合には手術を急いだほうがよいでしょう。いまは人工関節の機能が向上し、手術で痛みを取ることが期待できます。

滝川市立病院 霜村 耕太 先生

滝川市立病院
しもむら こうた
霜村 耕太 先生
専門:関節リウマチ・リウマチに関わる関節外科

霜村先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 新型コロナウイルス感染拡大によって、外来や公共施設など人と接する場がどう変わっていくのか、リモートでの学会や会議が続くのか、子どもたちの学校生活はどうなるのか...気になることはたくさんあります。

2.休日には何をして過ごしますか?
 普段は帰宅が遅く、子どもの寝顔しか見ることができないので、休みの日はできるだけ子どもと一緒に過ごす時間を増やすようにしています。

先生からのメッセージ

リウマチは早く治療を始めるほど関節の変形を防ぐ可能性が高まります。痛みで日常生活に支障があり、関節の破壊が始まっている場合には手術を急いだほうがよいでしょう。いまは人工関節の機能が向上し、手術で痛みを取ることが期待できます。

このインタビュー記事は、リモート取材で編集しています。

関節リウマチとは

滝川市立病院 霜村 耕太 先生Q. まず始めに、関節リウマチとはどんな病気なのでしょうか?

A. 関節リウマチは、自分自身の抗体が関節組織を敵とみなして攻撃してしまう自己免疫疾患の一つで、関節の腫れや痛みが起こる病気です。多くは原因不明で、遺伝的な要素や、喫煙、歯周病、歯槽膿漏、腸内細菌など様々な要因が組み合わさって発症すると考えられています。30~50代の女性に多くみられますが、最近では超高齢社会を反映して元気なお年寄りが増え、関節リウマチの発症年齢は年々上がる傾向にあります。

第一関節 第二関節Q. 関節リウマチは、具体的にどのような症状が起こるのでしょうか?

A. 手足の指の付け根や第二関節の腫れと痛みから始まることが多いです。朝起きたときに関節がこわばって動かしにくいと感じたり、膝や肩など大きな関節が痛んだりすることもあります。そうした痛みが慢性的に長く続くと、指や足、膝の関節が変形し、日常生活にも影響を及ぼすようになります。

Q. 関節リウマチの症状がある場合に日常生活で注意すべきことがあれば教えてください。

A. 関節が痛むときに無理をすると炎症が悪化しますから、まずは無理をしないことです。あとは常日頃から姿勢を良くする、ストレッチをして関節が固まらないようにほぐすことも痛みを和らげるのに効果的です。

Q. 関節リウマチと変形性関節症との違いは何でしょうか?

A. 関節リウマチは関節を覆っている関節包の内側にある滑膜(かつまく)が前述した免疫異常により炎症を起こし、骨や軟骨が徐々に破壊されていく疾患です。変形性関節症は、内側の軟骨だけがすり減る人が多いのに対し、関節リウマチの場合、骨が弱くなって外側の軟骨もすり減り、X脚になる人も多いのが特徴です。近年は関節リウマチの患者さんも高齢化しているので、関節リウマチと変形性膝関節症の両方の症状を併せ持つ患者さんも増えています。

膝関節の軟部組織

Q. こういう症状があらわれたら受診すべき、という目安はありますか?

A. 関節リウマチは発症から2年程度経つと骨が壊れてしまうというデータもあり、早く治療を始めるほど関節の変形を防ぐ可能性は高まります。ですので、痛みを感じた時点で専門の医療機関を受診していただくのがよいでしょう。

Q. 関節リウマチの診断方法について教えてください。

滝川市立病院 霜村 耕太 先生A. エコーやMRI、血液検査を行い、リウマチ因子の数値や関節の腫れ、関節リウマチに特徴的な滑膜炎がみられるかなど、アメリカリウマチ学会、ヨーロッパリウマチ学会のつくった分類基準に沿って総合的に判断します。

Q. 関節リウマチの治療法について教えてください。

A. 基本は薬物治療になります。症状や変形の度合いによって、鎮痛剤や少量のステロイド剤を使用し炎症を抑えながら免疫抑制剤を使い、3~6ヵ月間治療を続けて症状が改善されない場合には注射製剤を投与します。

Q. 治療薬について詳しくお聞かせください。それぞれメリット、デメリットがあるのでしょうか?

A. いまは従来型の免疫抑制剤に加えて、生物学的製剤や「JAK阻害薬」と呼ばれる抗リウマチ薬の飲み薬など、色々な種類の薬剤が使用されています。
生物学的製剤は点滴や注射で投与しますが、デメリットとしては、感染や免疫を抑える作用が強いので、人によっては注射で腫れたり、ごくまれに血管系の疾患や肺炎、腸炎を引き起こしたりすることがあります。また、ジェネリックの薬も出回っているものの、それでも3割負担で3~4万円する高価な薬が多いです。ただ、薬の種類自体は増えていて、高額医療制度を使うこともできるので、自分に合う治療薬は必ずみつかるはずです。

Q. それらの方法では治療期間はどれくらいでしょうか? 通院での治療は可能ですか?

滝川市立病院 霜村 耕太 先生A. いずれの治療でも薬を使い始めて約6ヵ月を目安としています。
生物学的製剤は、基本は1~3ヵ月ごとに外来で受診していただき、ご自宅で注射をしていただくことになりますが、自己注射が難しい場合には、病院で点滴を行うこともあります。その後、定期的に免疫異常をチェックするスクリーニング検査を行い、経過を観察します。こうした治療で症状が改善される方も多いです。
昔は、リウマチは一度始めた治療をずっと続けることが一般的でしたが、最近は薬の効き目が出てきたら少しずつ薬を減らし、止めていくという流れになっています。

Q. 薬物治療でも症状が改善されない場合には、手術になることもあるのでしょうか?

A. リウマチで関節の破壊が始まっている場合には手術を急いだほうがよい場合があり、日本リウマチ学会のガイドラインでも、薬で良くならない場合や、少数の関節のみの症状が残存している場合には、手術を行ったほうがよいとの指針も盛り込まれています。
関節の痛みや変形で顔を洗う、箸を持つことが難しい、歩くのにも不自由するなど、日常生活にも支障が出る場合には、治療の選択肢として、傷んで変形した関節を人工関節に置き換える手術について説明させていただきます。
いまは人工関節の機能も耐用年数も向上し、手術で曲がった関節がまっすぐになり、痛みを取ることが期待できます。

人工指関節の例

人工膝関節の例

人工膝関節の例

Q. 関節リウマチの治療は年々進歩しているのですね。今後さらに進歩していくのでしょうか?

A. 内科的な基礎研究では、関節リウマチの再発に関わる因子の研究や、症状に応じて最適な薬剤を遺伝子レベルで見極める研究が進められています。いまはまだ関節リウマチの予防法は明らかになっていませんが、研究は進んでおり、近い将来解明されることが期待されます。

滝川市立病院 霜村 耕太 先生Q. 先生がリウマチ専門医を志されたきっかけがありましたら教えてください。

A. まだ整形外科医になりたてのころ、道内の複数の病院で勤務しました。そのときに、関節リウマチの治療を行う先生に邂逅し、師事したことが端緒です。そこで関節リウマチで膝関節や股関節の変形が進行していた患者さんが、手術後に見た目も良くなって歩けるようになるなど、劇的に症状が回復していくのを見て興味を持ちました。その体験から、リウマチを専門にすることを決意しました。専門性を高めるために、リウマチ治療のメッカといわれている国立相模原病院に2年間留学し研鑽を積みました。
リウマチの専門医は少ないのですが、私は、整形外科医は一人の患者さんを内科的に診ることもできるし、場合によっては適切なタイミングで外科的治療を行うこともできることがアドバンテージだと考えています。
関節リウマチを治療をせずに放置すると関節の変形が進み、一日中座りっぱなしでいると歩けなくなり、座るのも難しくなり、最後は寝たきりになってしまう恐れがあります。いまは薬物治療も進化しているので、症状の重かった方が治療を通じて外来に歩いてこられるようになり、家で自立できるようになったとお聞ききする時、医者冥利に尽きます。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

霜村 耕太 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

リモート取材日:2021.05.7

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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