先生があなたに伝えたいこと / 【浅海 浩二】患者さんが股・膝関節の苦痛から安全に解放されるために、最先端の技術を駆使したいと考えています。

先生があなたに伝えたいこと

【浅海 浩二】患者さんが股・膝関節の苦痛から安全に解放されるために、最先端の技術を駆使したいと考えています。

屋島総合病院 浅海 浩二 先生

屋島総合病院
あさうみ こうじ
浅海 浩二 先生
専門:股関節膝関節

浅海先生の一面

1.休日には何をして過ごしますか?
 学生のときはバスケットボールに熱中していましたが、最近の休日は学会・研究会などを兼ねた出張や病院での当直で半分ほどが占められますね。それ以外はスポーツ観戦、映画鑑賞、たまにゴルフをしたり、講演会の準備などをしたりして過ごしています。

2.最近気になることは何ですか?
 日本と日本を取り巻く近隣諸国との関係ですね。またTPPの導入で日本の医療環境がどう変わるのか。特に私の専門である股関節・膝関節の悪い患者さんの将来がとても気になります。

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先生からのメッセージ

患者さんが股・膝関節の苦痛から安全に解放されるために、最先端の技術を駆使したいと考えています。

Q. 先生は人工関節センター長を務めていらっしゃいますが、人工関節センターの目的・役割とは何でしょう?

A. 当院の人工関節センターは、平成23年1月に、専門性の高いスタッフとともに開設させていただきました。その目的はなんといっても、人工関節に特化した最先端の治療を実践することです。特にここは、最新の手術法である「MIS(最小侵襲手術:さいしょうしんしゅうしゅじゅつ)」と「ナビゲーション手術」の両方を受けることが可能な、香川県で唯一の施設です(平成26年7月現在)。

普通の切開・MISの切開(前側方・後側方)

ナビゲーションシステム

屋島総合病院 浅海 浩二 先生もちろん医療スタッフは、医師、看護師および理学療法士の全員が人工関節に対する高度な知識と技術を持っていますので、外来、入院、手術から術後のリハビリテーションに至るまでスムーズな流れで治療を行うことが可能です。患者さんやご家族に対しては、人工関節治療を理解していただくためにスタッフ一同が徹底した説明を行います。また、患者さんの不安や悩みに対しては、「大丈夫ですよ」「これはこうですよ」という的確なご説明を行いますので、とても安心されているようです。 人工関節センターでは、セカンドオピニオン(※)を求めていらっしゃる方のご相談にも積極的に応じています。

※セカンドオピニオン:診断や治療方針についての主治医以外の医師の意見

Q. 人工関節センターを開設されたということは、それだけ患者さんの数も多いということでしょうか?

A. そうなんです。高齢化に伴って関節、特に股関節や膝関節の悪い方は増加の一途で、人工関節手術の症例数も全国で年間およそ16万件にのぼります。2年前のデータですが、香川県内だけでも約1,200件の人工関節手術が行われています。

Q. では、少し具体的に、人工股関節全置換術人工膝関節全置換術について教えてください。それぞれ、どのような手術なのでしょうか?

A. 人工股関節全置換術は、変形性股関節症をはじめ関節リウマチ大腿骨頭壊死、骨折などで変形してしまった股関節を、金属とポリエチレンなどでできている人工股関節に入れ換える手術です。少し具体的にいいますと、太ももの外側を切開して骨頭部分を脱臼させます。そして、骨盤側の受け皿には関節の痛んでいる軟骨を削りとってソケットを被せ、大腿骨(大もも)側には傷んだ骨を取り除いてステムを骨内に挿入し、骨頭を装着します。神経のない人工物に置き換わるわけですから痛みが取れ、関節の動きがよくなって歩きやすくなります。QOL(日常生活の質)を高める治療効果の高い手術です。

人工股関節全置換術

人工股関節全置換術

人工膝関節全置換術も考え方は同じ。変形性膝関節症や関節リウマチなどによって変形をきたした膝に行われ、関節のこすれ合う部分の軟骨などを削り取って、人工膝関節に置き換えます。やはり痛みがなくなり膝関節の動きがよくなって歩きやすくなりますし、O脚も矯正できます。

人工膝関節全置換術

人工膝関節全置換術

どちらの手術も日常生活の支障がほぼなくなりますから、痛くて断念していた趣味や旅行をどんどん楽しんでいただきたいですね。

Q. 大変優れた手術なのですね。皮膚を切開して、というお話が出ましたけれど、最新の手術手技として、そこで「MIS」が用いられるわけですか?

屋島総合病院 浅海 浩二 先生A. そうです。MISは最小侵襲手術と訳されるように、皮膚切開の傷が小さくて体への負担が少ない手術です。従来は15~20cmの切開が必要で、筋肉へのダメージも大きかったので、手術後の痛みが強くて筋力もなかなか回復せず、入院期間は2、3ヵ月間が必要でした。それを当院ではMISによって半分程度の切開、人工股関節では8~10cm、人工膝関節では10~12cmの切開で手術を行っています。筋肉へのダメージも少なくて済み回復がとても早く、早期に杖での歩行が可能で、入院期間も2、3週間程度です。

Q. 患者さんにとってMISのメリットは大きいですね。

A. はい。でもどこの病院でも行っているわけではなくて、当院は香川県では数少ない病院のひとつです。特殊な方法ですから、トレーニングを受けた医師でなければよい結果にならないという事情もあるんです。

Q. 先生はいつ頃からMISを取り入れておられるのですか?

A. 平成15年。岡山大学病院にいた頃からです。

Q. ずいぶん早くから取り組んでおられるのですね。それでは、「ナビゲーション手術」についても教えていただけますか。

屋島総合病院 浅海 浩二 先生A. はい。ナビゲーション支援システムは、人工股関節置換術で用いています。といいますのも、人工股関節置換術では骨盤側の臼蓋カップと大腿骨側のステムのサイズや設置位置で、術後の人工関節の動きや安定性が大きく違ってくるのです。サイズ、位置が不適切ですと、脱臼や左右の脚の長さに差が生じたり、人工関節の摩耗、可動域(かどういき:人工関節が動く角度)制限などの原因になったりします。これまでの手術では、特に設置角度にどうしても微妙なばらつきが出てしまっていたんです。そのばらつきを解決するために、ナビゲーション支援システムを導入しました。

Q. なるほど。具体的にはどのようなシステムなのでしょう?

屋島総合病院 浅海 浩二 先生A. 平たくいえばカーナビと同じです。カーナビでは出発前に目的地を登録しておいて、指示通りに運転すればたどり着けますよね。ナビゲーション支援システムでも、まず骨盤のCT画像を撮り、コンピュータ上で、個々の患者さんに合った人工関節のサイズや位置を設計しておきます。手術中は、その3Dの設計図と手術道具の位置がモニターにリアルタイムで表示され、それを見ながら、計画と誤差があれば修正しながら、正確に人工関節を設置します。
これにより変形が強く手術の難しい患者さんに対しても、あるいはMISによる手術も、より精度の高い手術を行うことが可能になりました。

Q. 手術の安全性についてもみなさんご心配だと思います。そのことについてのお考えや取り組みについてはいかがでしょうか?

A. 人工関節置換術は痛みを除去し、生活の質を上げるための手術ですから、100%成功しなければならないと考えています。その意味でも私は、術前の検査を重要視しています。高松のような地方都市では高齢者の割合が高く、内科的疾患などの合併症をお持ちの患者さんが多いですから、検査で判明した場合も含めて他科と綿密に連携して手術に臨みます。
また手術では輸血が必要になる場合もありますが、手術の約3週間前に行う術前検査時に400mlの自己血貯血を行って、他人の血液を使う同種血輸血の割合を極めて低くしています。

Q. 合併症に対しては?

手術衣(手術中の様子)A. 手術中の合併症としてはまず「感染」があげられますが、これを防ぐために短時間の手術を実践しています。人工関節手術に特化したスタッフの協力により、基本的には1時間以内の手術を目指しています。その手術も清潔度の極めて高いバイオクリーンルームを使用し、術者も宇宙服のようなものを着て万全の態勢で感染予防に当たっています。手術時間の短縮や、MISによって手術翌日の離床が可能になったことは「血栓症」の予防にもつながり、人工関節センターでは幸いにも、血栓症から重篤な肺梗塞に至ることは、これまで一度も発生していません。

屋島総合病院 浅海 浩二 先生さらに、最もリスクのある術後の「脱臼」も、ナビゲーションシステムにより正確な設置、また受け皿から抜けにくい(下図参照:ジャンピングディスタンスが大きい)大きな骨頭を使うことで、再手術を要するような脱臼をした患者さんは、現在のところ、おひとりもおられません(平成26年7月現在)。

骨頭サイズの違いによるジャンピングディスタンスの差

骨頭が小さい場合

骨頭が大きい場合

Q. 安全性も高い手術といえそうですし、高齢化社会が進み、今後は手術数が増加しそうですね。

A. 人工関節置換術って、入れ歯にするのと似てるんですよ。無くなってしまった関節軟骨の替わりに金属などで覆う手術ですから。先ほど、最近では1年間で約16万件の手術が行われているといいましたが、2030年までには4倍以上になるともいわれています。股・膝関節でお困りの高齢者にとっては入れ歯の治療と同様に、今後は必須のものとなるのではないでしょうか。手術手技だけではなく、人工関節そのものも進化して耐用年数が向上し、手術後のスポーツ活動もある程度は推奨されるようになっていますから、需要もますます増えると考えられます。

Q. ありがとうございました。最後にリハビリのこと、先生の人工関節治療への思いを教えてください。

屋島総合病院 浅海 浩二 先生A. 当院は地域密着で患者さん重視の治療を行っています。入院期間については、早期に退院したい方、不安やさまざまな事情で長期のリハビリを希望される方のどちらにも対応しています。通常は術後2~3週間で退院が可能ですが、社会的な理由で長期の入院リハビリを希望される患者様はある程度の長期の入院リハビリを行う事も可能です。そういうことも含めて、地域性、患者さんのニーズに合う治療を推進することはとても大切だと思うのです。
そして、私の願いは地元の香川県で最先端の技術を有効に使うことにより、股・膝関節に悩む方に、安全で確実な人工関節置換術を提供することです。一人でも多くの患者さんが問題なく苦痛から開放されることを願います。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

浅海 浩二先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2014.5.27

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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