先生があなたに伝えたいこと / 【千頭 憲一郎】人工膝関節は本来のご自分の膝に近い動きが獲得できるようになっています。生活をおおいに楽しんでください。【三上 貴司】人工股関節手術では患者さん一人一人にふさわしい満足度を追求しています。手術後のより良い人生のために。

先生があなたに伝えたいこと

【千頭 憲一郎】人工膝関節は本来のご自分の膝に近い動きが獲得できるようになっています。生活をおおいに楽しんでください。【三上 貴司】人工股関節手術では患者さん一人一人にふさわしい満足度を追求しています。手術後のより良い人生のために。

香川県立白鳥病院 千頭 憲一郎 先生

香川県立白鳥病院
ちかみ けんいちろう
千頭 憲一郎 先生
専門:膝関節外科

千頭先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 子どもが小学校低学年なのですが、平日は忙しくてなかなかかまってあげられないことです。

2.休日には何をして過ごしますか?
 子どもと時間を過ごすか、ガーデニングをしています。土いじりが好きなんですよ。

香川県立白鳥病院 三上 貴司 先生

香川県立白鳥病院
みかみ たかし
三上 貴司 先生
専門:股関節外科

三上先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 この体型ですので(笑)、40歳を過ぎてさすがに考えないと、と水泳を始めました。週に3回はプールで泳いでいます。

2.休日には何をして過ごしますか?
 犬3匹と遊んでいます。あとはたまにゴルフですね。

携帯・スマートフォンサイトもチェック!

携帯電話・スマートフォン

バーコードリーダーで読み取ってください。携帯電話・スマートフォンからもご覧いただけます。
http://kansetsu-itai.com/m/interview/dr172.php

*携帯電話・スマートフォンからアクセスしていただく場合、パケット通信料は、お客様のご負担となりますので予めご了承ください。

QRコード

先生からのメッセージ

人工膝関節は本来のご自分の膝に近い動きが獲得できるようになっています。生活をおおいに楽しんでください。(千頭先生)
人工股関節手術では患者さん一人一人にふさわしい満足度を追求しています。手術後のより良い人生のために。(三上先生)

膝の靭帯の名称Q. 膝関節と股関節、それぞれの構造について教えてください。

千頭先生:膝は大きく分けて、太ももの大腿骨、その下の脛骨(けいこつ)、お皿の膝蓋骨(しつがいこつ)から成っています。骨の表面には軟骨があり、さらに膝の場合には、大腿骨と脛骨の間に半月板があって、クッションの役割をします。大腿骨は先端が丸く、脛骨は平らですから、膝は曲げたり伸ばしたりスムーズに動くことができます。骨の周囲には4つの靭帯があって関節を支持しています。

股関節の構造(正面図)三上先生:股関節は骨盤側の受け皿に大腿骨の骨頭がはまり込む形をしています。膝と違って、三次元の動き、すなわち曲げる、伸ばす、ねじるといった動きを組み合わせることができます。全身の関節の中でも最も大きく、最も安定した関節です。

Q. 膝関節の代表的な疾患は?

千頭先生:代表的なのは加齢による変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)です。軟骨によって膝は痛みなくスムーズに動くのですが、その軟骨が徐々にすり減ってきて痛みや変形を引き起こします。年齢では60代くらいから患者さんが増えてきます。

変形性膝関節症

香川県立白鳥病院 千頭 憲一郎 先生Q. 変形性膝関節症になりやすい方というのはあるのですか?

千頭先生:女性であることは危険因子のひとつです。女性の患者さんは男性より多く、ホルモンの関係が原因ではないかといわれています。またO脚の方が膝の内側の軟骨がすり減りやすく、肥満傾向の方もリスクは高くなります。若い頃に半月板や靭帯損傷、骨折などの外傷を負った方は早めに変形性膝関節症を起こすケースもあります。

Q. では股関節の主な疾患は?

三上先生:代表的な疾患は、やはり変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)です。膝はこれといった原因がなく加齢によって起こることがほとんどですが、股関節では日本人の場合、発育性寛骨臼形成不全(はついくせいかんこつきゅうけいせいふぜん)が原因のことが多く、およそ8割を占めています。

正常 寛骨臼形成不全

Q. 変形性股関節症の原因となる発育性寛骨臼形成不全とはどのようなものなのですか?

香川県立白鳥病院 三上 貴司 先生三上先生:成長の過程で骨盤側の受け皿が十分に発達しない病態です。大腿骨の骨頭(こっとう)をしっかり覆うことができず、非常に小さな面積で荷重を受けてしまうので、軟骨にかかる負担がとても大きくなるんです。ですから、変形性膝関節症に比べると変形性股関節症を発症する年齢は低く、なかには10代、20代という方もおられます。ちなみに発育性寛骨臼形成不全は遺伝しませんが、骨格は親に似ますので家族性があると考えられてます。

Q. ほかに着目すべき疾患はありますか?

千頭先生:膝関節では特発性(とくはつせい)の大腿骨内顆骨壊死症(だいたいこつないかこつえししょう)があげられます。昔は血流障害といわれましたが、近年では軟骨の土台となる骨が脆弱(ぜいじゃく)になることで、階段を上がるとかほんのちょっとしたストレスでも骨ごと軟骨がへこんでしまうということがわかってきました。この痛みはかなり強烈で、寝ていても痛いというのが特徴です。
三上先生:股関節では大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)です。これも特発性といわれる、明確な原因がはっきりしないものですが、誘因因子としてアルコールの過剰摂取や内科的な治療でのステロイドの大量投与があげられます。ほかに、高齢者には急速破壊型股関節症といって、突然強い痛みが走る病態があり、半年から1年の短期間で一気に関節の破壊が生じます。大腿骨頭壊死症が関係していることも考えられますし、年をとって腰が曲がることで、もともとは正常だった骨盤が寛骨臼形成不全のような状態になってしまうなどさまざまな理由が考えられています。

大腿骨頭壊死症

香川県立白鳥病院 千頭 憲一郎 先生Q. 変形性膝関節症の治療にはどのような方法があるのですか?

千頭先生:変形性膝関節症は軟骨が傷むと説明しましたが、その前に半月板損傷、半月板断裂など半月板だけ傷んでしまうケースがあります。それが痛みの原因の場合、関節鏡を使って半月板を修復する手術があります。軟骨が傷んで骨と骨が直接ぶつかり合うようになれば、骨切り術人工膝関節置換術の適応となります。しかしながら外科的治療ばかりではなく、患者さんご本人がさほど生活への支障を感じておられない場合では、保存治療が有効です。

Q. 保存治療ではどういうことをするのですか?

千頭先生:大腿四頭筋など膝関節周囲の筋力のトレーニングを中心とする理学療法、状況に応じて鎮痛剤やヒアルロン酸の関節内注射、あるいはO脚を矯正するため足底板(そくていばん)を使用するなどの装具療法といった、痛みを軽減させる治療を行います。特に高齢者の場合、保存治療だけでずっと対応できているケースも多いです。

大腿四頭筋を鍛える方法の例

足底板

香川県立白鳥病院 三上 貴司 先生Q. 変形性股関節症の治療についてもお聞かせください。

三上先生:まずは、筋力と柔軟性を高めることを中心に、股関節周囲のトレーニングを行う保存治療となります。その効果が乏しければ、患者さんと相談して手術を考えるということになります。その手術には、やはり骨切り術と人工股関節置換術があります。膝関節もそうですが、主流は適応範囲の広い人工関節置換術ですね。

Q. 参考までに骨切り術についても少し教えていただけますか?

千頭先生:膝関節の内側だけ傷んでいて外側がまだ健全な場合は、高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)といって、内側の骨に切り込みを入れて、広げてプレートで留めて、脚全体の角度を変えるという手術を行います。関節が温存できる良い手術なのですが、骨を切りますから1ヵ月くらいは体重をのせて歩けなくなります。入院期間も長くなります。

高位脛骨骨切り術(HTO)

香川県立白鳥病院 三上 貴司 先生三上先生:股関節でよく行われているのは寛骨臼回転骨切り術(かんこつきゅうかいてんこつきりじゅつ)です。発育性寛骨臼形成不全があって変形が軽度の場合、臼蓋をドーム状にくり抜いて回転させ、骨頭を広く覆って荷重を分散させるとともに、この手術によって亜脱臼を防ぎます。ほかにも骨切り術は種類がありますが、いずれも本来の股関節に近い状態を再現しますので、手術すればそれで一生大丈夫ということも期待できます。デメリットとしては入院期間が長くなるために、学校、仕事、子育てや介護など生活環境を整えてから手術をする必要があることです。膝に比べて若年の患者さんも多いので、骨切り術を行うタイミングを見計らうことが大事になってきます。

寛骨臼回転骨切り術

Q. 長期に入院できないなど骨切り術が難しい場合は?

三上先生:痛みがコントロールできるうちは、痛み止めなどを上手に使って保存的治療で手術が可能になるところまで様子を見るということになります。しかし、ある程度の年齢であれば、骨切り術ではなく人工股関節手術や人工膝関節手術を前向きに検討しても良いと思います。社会復帰が早く、何より除痛効果が大きいですから。
千頭先生:その方その方に合う治療法を提案する、つまり、生活背景などを考慮しながら患者さんと一緒に治療に取り組んでいくことが重要なのです。

Q. 人工関節手術には種類があるのでしょうか? まずは膝関節ではどうでしょうか?

香川県立白鳥病院 千頭 憲一郎 先生千頭先生:まず単顆人工膝関節置換術(たんかじんこうひざかんせつちかんじゅつ:UKA)という手術があります。骨切り術が適応となる場合と同様に、膝関節の半分だけが傷んでいて、靭帯など軟部組織が正常で、曲がりも悪くない、そういうときに行う手術です。骨切り術に比べると高齢者が主な対象ですが、社会復帰の問題などで、希望されれば50代ぐらいの若い方にも行うことがあります。骨切り術もUKAも難しければ、全人工膝関節置換術(ぜんじんこうひざかんせつちかんじゅつ:TKA)の適応となります。

単顆人工膝関節置換術(UKA)

単顆人工膝関節置換術(UKA)

Q. TKAはどういう手術なのでしょう?

千頭先生:膝関節全てを人工物にすると思われている方もあるようですが、表面だけです。大腿骨側と脛骨側に、患者さんに合う人工物をはめ込みます。間に軟骨の代わりのポリエチレンを挟むことで、骨同士がこすれなくなって痛みが取れ、動きも良くなります。

全人工膝関節全置換術(TKA)

全人工膝関節全置換術(TKA)

Q. 手術手技に進歩はありますか?

千頭先生:正確な設置はもちろんですが、近年ではギャップの調整が重要視されています。ギャップとは大腿骨と脛骨の間のすきまのことです。このギャップが、膝を伸ばしたときと曲げたときに極力同じになるように機器で計測しながら、靭帯を中心とした軟部組織でバランスを取るなどして微調整した上で、人工膝関節を設置します。これは、膝が生体に近い動きを獲得できるように再建する作業なのです。それを可能にする手術の技術と機器の進歩がこうした精密な手術を可能にしました。
三上先生:股関節は大きな関節で周りにいろいろな筋肉があり、深いところに位置しているので、以前は手術の際に筋肉を切開する必要があったのです。今では筋腱温存(きんけんおんぞん)という考え方から、当院でも筋肉を切らない手術を取り入れるようになりました。筋肉を温存できるので術後の回復が早くリハビリもスムーズに進みます。変形性股関節症による脚長差(きゃくちょうさ)の調整がしっかりでき、脱臼というリスクも、動きを制御している腱を残すことで低減できます。さらに切開の傷も小さくて済みます。但し、一番大切なのは人工股関節を正確に設置することです。変形が強度な方や、筋肉質の方などは後方アプローチで術野をしっかり開いて手術をし、脱臼に関与する短外旋筋群(たんがいせんきんぐん)もきっちり修復をして手術を終えます。後方アプローチでも梨状筋(りじょうきん)を残すなど、できる限り残せるものは残し、その方に最適の方法を選択しています。患者さんの術後の合併症のリスクを低減して満足度を上げるための手術を提供することが、患者さんの生活の質(QOL)を上げることだと考えます。
千頭先生:今の人工関節は活動制限がほとんどなく、本来のご自分に近い膝、股関節で生活を楽しんでいただけると思います。

Q. これまでに手術された患者さんで、印象に残っておられる方はいらっしゃいますか?

爪先立ち千頭先生:日本では珍しいのですが、ひどい外反膝(がいはんひざ:X脚)で背骨も曲がっているし、思うように歩けない患者さんが来院されました。すぐに手術を決断され、両膝を手術することで見違えるように良くなられました。手術してから背筋も伸びて、杖をついてどこへでも行かれています。腰の痛みもなくなり、車の運転もされています。
三上先生:重度の変形性股関節症の患者さんで、股関節がはずれて左足が短くなり、爪先立ちで歩いて生活をしている方が来られました。外反母趾(がいはんぼし)とたこを見てほしいということだったのですが、人工股関節手術で2㎝半ほど脚を延ばして、ちゃんと脚が地面に着いて歩けるようになり、足の状態は自然に良くなりました。これまで長い間苦労されてきたのでしょう、手術の結果に本当に喜ばれていました。私は手術で人を良くしたいという思いで整形外科医になりましたので、こういう経験をするたびにやりがいを感じます。
千頭先生:手術の前より良くなる、良くすることができるというのが整形外科医のやりがいです。これからも患者さんと治療後の嬉しい気持ちを共有していきたいと思います。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

千頭 憲一郎 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

三上 貴司 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2016.8.26

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

先生の一覧へ戻る

病院検索をする

ページトップへ戻る

先生があなたに伝えたいこと

股関節股関節

膝関節膝関節

肩関節肩関節

肘関節肘関節

足関節足関節

手の外科手の外科

脊椎脊椎

病院検索 あなたの街の病院を検索!

先生があなたに伝えたいこと 動画によるメッセージも配信中!