先生があなたに伝えたいこと / 【丸山 正吾】地域性に考慮した診察とそれに沿った手術は、患者さんのQOL(生活の質)向上につながります。

先生があなたに伝えたいこと

【丸山 正吾】地域性に考慮した診察とそれに沿った手術は、患者さんのQOL(生活の質)向上につながります。

掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 丸山 正吾 先生

掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター
まるやま しょうご
丸山 正吾 先生
専門:股関節

丸山先生の一面

1.休日には何をして過ごしますか?
 子どもがまだ小さいですので、一緒に公園に遊びに行ったり、買い物に行ったりしています。それが一番の楽しみです。

2.最近気になることは何ですか?
 政治の行方でしょうか。アベノミクスがどうなるかとか、橋下さんの今後とか。政治家には、国民にわかりやすい説明やメッセージを送ってほしいですね。

携帯・スマートフォンサイトもチェック!

携帯電話・スマートフォン

バーコードリーダーで読み取ってください。携帯電話・スマートフォンからもご覧いただけます。
http://kansetsu-itai.com/m/interview/dr51.php

*携帯電話・スマートフォンからアクセスしていただく場合、パケット通信料は、お客様のご負担となりますので予めご了承ください。

QRコード

先生からのメッセージ

地域性に考慮した診察とそれに沿った手術は、患者さんのQOL(生活の質)向上につながります。

掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 丸山 正吾 先生Q. 先生は地域性生活習慣に着目して治療に当たられていますが、具体的に、どのような点に着目されているのでしょうか?

A. 地域の主な産業や住民の年齢層、平均的な住居の広さなど、地域の特性によって同じ症例でもその傾向が変わるということがあります。たとえば当院のある遠州地域は、お茶の産地でいちごやメロンも有名な農業の盛んな地域です。そうしますと、変形性股関節症でも、他の地域とは異なる特徴的な傾向が表れます。それに応じた診察や治療を行うよう、心がけています。

Q. それでは遠州地域の変形性股関節症には、どのような特徴的傾向があるのでしょうか?

A. たとえば、農業でしゃがんだり立ったりという作業を繰り返すことで骨盤が後ろに傾き、それが引き金となって股関節が変形するという例が多いですね。

Q. そういった傾向を見極める診断方法について教えてください。

A. まずはレントゲンですね。通常、股関節のレントゲンは寝た状態で撮りますけれども、当院では、必ず全例で、手術前に立位(立った状態)でもレントゲンを撮るようにしています。この方のレントゲンを見てください。立った状態と寝た状態では、骨盤の見え方が違っているのが分かると思います。これは、骨盤が後ろに傾いている(後傾)のを表しています。

寝て撮ったレントゲン画像 立って撮ったレントゲン画像

骨盤が傾いている場合、立位写真でこの部分(黄色の枠内:閉鎖孔)の見え方が大きく変わってきます。

Q. なるほど。そのような骨盤の傾きから、変形性股関節症を引き起こすことがあるのですね。

A. はい。普段は体の中心にあって体重を支えるはずの骨盤が後ろに傾くことで、股関節に余分な負荷がかかって股関節の変形を起こします。そうした例では、この方のように、骨頭が骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう:屋根の部分)にすっぽりと収まらず、前のほうの被りが浅いということが多く見られます。そのまま人工股関節を入れたとしても、被りが浅い前方への脱臼のリスクが高まります。

脱臼イメージと正面図

Q. そうしますと、前方への脱臼のリスクを軽減する手術法が必要になるということですね。

A. おっしゃる通りで、事前に骨盤等の状態を把握しておくために、立位でのレントゲンが大変有効です。
この方のようなケースの場合は、人工股関節置換術の際に、カップの設置角度を工夫しています。少し前開きの角度を小さくし、外開き角度を抑え気味に設置することで、前方に脱臼するリスクが軽減されます。

前開きの角度を小さくし、外開き角度を抑え気味に設置することで、前方に脱臼するリスクを減らす

前開きの角度を小さくし、外開き角度を抑え気味に設置することで、前方に脱臼するリスクを減らす

Q. 地域性を考慮して診断し、患者さんお一人おひとりの骨盤と股関節の特徴をとらえての手術をするということですね。

掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 丸山 正吾 先生A. そうです。ここへ来られる患者さんは、農業を続けたいから来られるのであって、手術をしたのを機に農業をやめるという方はまずいらっしゃいません。ですから、安心して農業をしていただけるような手術を行う必要があります。ただひとつ、「手術後、半年は休んでください」とだけはお願いすることにしています。その頃には周りの筋肉もしっかりしてきますから。そうすることで、手術を希望される方はみなさん農業に復帰されています。

人工股関節のネックQ. カップの設置角度以外にも、何か地域性に絡んで人工股関節手術で工夫されていることはありますか?

A. 男性の場合、製造業に従事されている方が多いですね。そういう方は日常的に重い荷物を持たれますので、人工股関節の破損の危険性が出てきます。その場合は、人工関節のネックと呼ばれる部分が太くて体重制限のない機種を選択するということがあります。

Q. なるほど。患者さんを取り巻く環境を十分考慮して...。

A. ええ。僕の身上として、"脱臼のリスクを減らすこと"と共に、最も避けなければならないのは、ある日突然、"人工股関節が破損すること"だと思っています。その方の人生設計まで変わりますから。

Q. 破損の原因と対処法の例を教えてください。

A. 破損の大きな原因として、繰り返しの衝突が考えられます。人工物と人工物の衝突だけではなく、人工物と骨盤の骨が衝突することもあります。手術のときに、骨盤のトゲがあるような場合にはそれを除去し、衝突のリスクを軽減しています。また、骨頭のサイズを28mm径、場合によって32mm径の比較的大きいものを使用しています。程度にも寄りますが、大きな骨頭を入れますと安全な可動域が広くなり、衝突を起こしにくくなります。

骨頭サイズの違いによる可動域の違いまた最近ではカップ側とボールの素材が、「セラミック×セラミック」あるいは「金属×金属」といった、いくつかの組み合わせの人工関節が出ていますが、僕はボールをはめ込むカップのほうは必ずポリエチレンのものを使うようにしています。他の材質に比べて柔らかいので、もし衝突が起こっても、大きな問題にはなりにくいと考えられますので。

Q. 確かに、突然、破損というのはちょっと怖いですね...。

掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 丸山 正吾 先生A. そうでしょ。もし少しずつダメになったとしたら、もちろんそういうこともあってはならないのですが、万一そうなっても、定期検診で見つけることができて「いつ頃、入れ換え(再置換)をしましょう」というような予定が組めます。しかし、突然ですと大切な仕事があっても手術を受けなくてはならないとか、患者さんの人生設計が変わってしまいます。そのようなリスクのある人工股関節の使用は避けようと思っています。

Q. では手術後に患者さんご自身が気をつけることは?

掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 丸山 正吾 先生A. 曲げすぎない、ねじらない。このことさえ気をつけていただければよいですね。看護師やリハビリスタッフから具体的に色々と指導して頂けますので、僕はできるだけ患者さんを萎縮させないようにしています。どちらかというと、なだめ役なんですよ(笑)。脱臼などを恐れすぎて萎縮し、歩くこともしないというのは本末転倒です。軽い運動は、筋肉や骨の強化にもつながりますし、せっかく人工股関節を入れて痛みもなくなるのですから、ある程度は"使ってこそ花"、ではないかと思います。股関節にとって不自然な格好をしたり、酷使したりしなければ、そんなに神経質になる必要はないでしょう。この地域でいいますと、農作業や草取りをするときは、小さな椅子を持っていって腰掛けてするとか、そういう工夫をしていだたければと思います。
あと、気をつけていただきたいのは感染ですね。誰でもそうですが、歯槽膿漏ですとか風邪ですとか、身体に調子の悪いところがあれば早めに治療するということを心がけてほしいです。

Q. 先生もおっしゃられたように、仕事や趣味など、したいことを可能な範囲でできるようにする。そのための手術なのですね。

A. そうなんです。股関節が痛くて家でふさぎ込んでいた人が、手術後に「旅行に行った」とか、そういう話を聞くのが楽しみで、僕も治療に当たっています。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

丸山 正吾 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2013.6.25

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

先生の一覧へ戻る

病院検索をする

ページトップへ戻る

先生があなたに伝えたいこと

股関節股関節

膝関節膝関節

肩関節肩関節

肘関節肘関節

足関節足関節

手の外科手の外科

脊椎脊椎

病院検索 あなたの街の病院を検索!

先生があなたに伝えたいこと 動画によるメッセージも配信中!