先生があなたに伝えたいこと / 【安田 和則・市山 廣樹】 膝の痛みを乗り越え、人生をもっと楽しく

先生があなたに伝えたいこと

【安田 和則・市山 廣樹】 膝の痛みを乗り越え、人生をもっと楽しく

「膝関節治療」の前線から
年齢が高くなるにつれ、関節痛を訴える人が多くなります。特に、膝の痛みは進行すると日常生活に大きく影響する場合も。加齢とともに発症しやすくなる「変形性膝(しつ)関節症」。その最新情報と、治療法の一つである人工膝関節置換術について、お二人のドクターに伺いました(この記事は、北海道新聞の対談記事を編集し直したものです)。

北海道大学大学院 安田 和則 先生

北海道大学大学院
やすだ かずのり
安田 和則 先生
専門:人工膝関節

安田先生の一面

1976年北海道大学医学部卒業、91年米国Vermont大学整形外科にて研究。99年北海道大学病院スポーツ医学診療科科長、2000年北海道大学大学院医学研究科 運動機能再建医学分野 教授就任。09年から北海道大学大学院医学研究科長・北海道大学医学部長。医学博士。

帯広整形外科/東北海道病院 市山 廣樹 先生

帯広整形外科/東北海道病院
いちやま ひろき
市山 廣樹 先生
専門:人工膝関節

市山先生の一面

1988年奈良県立医科大学卒業。90年日本匠科大学リウマチ科、91年都立墨東病院リウマチ科、99年ニューヨークベスイスラエル病院、2000年から北海道大学大学院を経て、現職。 現在、医療法人東北海道病院(釧路市)、医療法人社団北斗北斗病院(帯広市)、西岡第一病院(札幌)にて整形外科医として勤務。医学博士。

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先生からのメッセージ

人生を有意義にするためにも、まずは専門医に相談していただきたいですね。(安田先生)
~人工膝関節について~ 筋力が戻れば"異物"という感覚は少ないです。(市山先生)

加齢によるものが中心。誰にでも可能性が

帯広整形外科/東北海道病院 市山 廣樹 先生市山先生:膝関節障害は高齢者、特に女性に多く見られますね。
安田先生:統計では、日本人中高齢者の約5人に1人が罹病(りびょう)しているという数字が出ています。痛みの主な原因は、膝を使い続けるうちに軟骨が変形したり、すり減ることによるもので、加齢に伴い発症率は高くなるため、高齢者の方には避けて通れない病気の一つといえます。また、女性比率が高い原因ですが、体重や筋力、ホルモン分泌などの関連性が考えられます。
市山先生:私は主に道東の患者さんを診療していますが、農業や漁業などに従事している方に症状の重いケースが多いと感じます。
安田先生:この病気は膝を使うことが進行を助長しますので、膝を酷使する職業、特に一次産業を主とする地域に症状の重い方が多い傾向にあると思います。
市山先生:我慢に我慢を重ねて、日常生活に支障をきたす状態になってから来院される方もいます。
安田先生:病院が遠いなど環境的な要因もあると思いますが、痛みがひどく、歩行や外出が困難になると精神的な疾患にもつながりかねません。早期診療が理想ですね。

一般的な治療法と手術のタイミング

北海道大学大学院 安田 和則 先生市山先生:早期ならば、関節機能の温存を目指す保存治療を行います。外用や内服の鎮痛剤、ヒアルロン酸を関節内に注入する治療法などがあり、症状に応じた処置を行っています。
安田先生:運動療法も自己流ではなく、医師や理学療法士の指導に従い適切に行うことが大切です。また、関節内注射は近年主流となっている治療法の一つです。ヒアルロン酸の注入によって、軟骨のすり減りを抑えることができます。
市山先生:それでも症状が改善されない場合は、「人工膝関節置換術」という手術治療を、選択肢として提示しています。
安田先生:歩行困難になってからの手術では、リハビリに多大な時間を要します。術後の日常生活を不自由なく過ごすためには、健全な筋力が残っているうちが望ましいですね。
市山先生:手術を受ける方は60~70代が大半ですが、術後に活動的な生活を送るため、50代の手術例もあります。
安田先生:人工膝関節置換術となりますと、手術を行う医師の技術力がもっとも大きなカギとなります。関節を専門としている病院で相談するのが良いでしょう。

人工膝関節について

安田先生:現在、国内で使用されている人工膝関節の素材は、主にコバルトクロム合金(金属)やセラミックスがあります。人工膝関節と骨の間に緩みが生じる症例が報告された時、その原因として、人工膝関節に使う超高分子ポリエチレンが金属部分とこすれ合って発生する摩耗粉(まもうふん)が有力とされたのです。そこで金属の代替素材として着目されたのがセラミックスでした。研磨したセラミックスは金属に比べて摩耗粉を約5分の1に抑えられるというデータもあります。また、セラミックス製のため金属アレルギーを起こしにくいという利点もあります。手術時間は通常2時間程度です。
市山先生:術後1週間ほどでリハビリを開始できます。筋力が戻れば"異物"という感覚は少ないです。公的保険も適用される治療法です。
安田先生:痛みがなくなれば、日常生活の動作がスムーズになることが期待できます。登山やスキーはお勧めできませんが、買い物や旅行、ゴルフといった運動まで、活動範囲は広がるでしょうね。

家庭で診断、こんな症状に要注意

北海道大学大学院 安田 和則 先生/帯広整形外科・東北海道病院 市山 廣樹 先生安田先生:膝関節障害の特徴は第一に痛みです。膝は運動器官の要ですので、まず、動き始めが痛みます。歩くたびに痛むのですが、しばらく歩き続けると痛みが消えます。ただし長時間歩くとまた痛くなる。これが一番の特徴です。階段の上り下り、特に下りる時に強い痛みがある場合も要注意です。また、顕著なO脚の方、過去に膝に大きなけがをされた方も発症の可能性が高いといえます。北海道大学病院整形外科・スポーツ医学診療科では膝の軟骨検査を行っています。早期診療と進行の予防が目的ですので、先ほどのような症状を感じたら、気軽に相談に来ていただきたいです。
市山先生:私も「道東人工膝関節友の会」のアドバイザーをしています。手術をされた方の体験談は非常に心強い後押しになりますし、経験者同士の交流の場としても機能しています。
安田先生:痛みにより活動が阻害されると、自分の生活の質(QOL)が低下します。誰もが人生を自分らしく過ごしたいと願っています。治療や手術によって、その後の人生を有意義にするためにも、まずは専門医に相談していただきたいですね。

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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