先生があなたに伝えたいこと / 【三谷 茂】 より安全な治療を提供していくことの重要性を説くように心がけています

先生があなたに伝えたいこと

【三谷 茂】 より安全な治療を提供していくことの重要性を説くように心がけています

川崎医科大学附属病院 人工股関節専門 三谷 茂 先生

岡山大学病院 (現 川崎医科大学附属病院)
みたに しげる
三谷 茂 先生
専門:人工股関節

三谷先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
 実は私も股関節に痛みをもっているので、自分の健康が気になっています。

2.休日には何をして過ごしますか?
 スポーツ観戦(野球とサッカー)・子どもとゲーム(ポケモン)・そして勉強(もちろん!)

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先生からのメッセージ

より安全な治療を提供していくことの重要性を説くように心がけています。

Q.現在MIS・ナビゲーションシステムなど最新の手術手技について、知識を多少なりともお持ちの患者さんが増えてきているように思うのですが、実際はいかがでしょうか?既に知識をお持ちの方が多いですか?そしてその最新の手術手技を求めてこられる方も多いのでしょうか。

川崎医科大学附属病院 人工股関節専門 三谷 茂 先生 そうですね。以前は、すでに人工関節手術を受けられた知人から奨められたからとか、普段お世話になっているかかりつけの先生からの紹介とか、すなわちクチコミがほとんどでした。しかし現在では約1/3の方が新聞・雑誌やインターネットなどで病気や手術方法をよく調べたうえで相談にこられます。特にキーワードとして多く耳にするのは「MIS(エム・アイ・エス: 最小侵襲手術)」や「ナビゲーション手術」ですね。よくご存知なのですが、一般向けに発信されている情報は、プラスの点のみを強調しているものが多く、あまりマイナスの点に触れていないため、少し偏った知識を持っておられる方が多い、という印象をもっています。ですので、最新の治療というよりは、より安全な治療を提供していくことの重要性を説くように我々は心がけています。またセカンドオピニオン*の意識も浸透しつつあり、様々な先生の意見を聞いてから今後の治療について決定される方も増えてきています。

*セカンドオピニオン:自分にとって最善と考えられる治療について、主治医だけでなく複数の医師の意見をきくこと。

Q.それではMISについて普段どのように患者さんに説明されているのか教えていただけますか?

川崎医科大学附属病院 人工股関節専門 三谷 茂 先生 MISはminimally invasive surgeryの略で、手術をする際、体に対する害をできるだけ小さくするように工夫して行う手術を意味します。皮膚を切開する長さによってのみ決定されるものではなく、術後に機能の早期回復が得られやすくするように、筋肉や腱などをできるだけ温存して行う手術のことをさします。具体的に人工股関節手術で説明しますと、10年ほど前までは、ベッドから降りられない期間が1~2週間あったのですが、最近では手術の翌日や2日後で、トイレまで歩行器を使って歩いてもらっています。術後の入院期間も、従来の1~2ヵ月から2週間前後にまで短縮されています。

Q.ナビゲーションシステムについてはいかがでしょうか。

ナビゲーションシステム ナビゲーションシステムは、コンピューターにより支援された手術に用いる際の道具のひとつです。自動車のナビゲーションシステムは、より早くそして正確に、目的地に到達する際に役立つものですが、人工股関節手術の場合は、インプラントをより正確に目的の場所に設置する際に役立つものとなります。

Q.ナビゲーションシステムというのは、大きな設備ですし、それを導入するのは大変だと思います。最新技術の導入に関しては苦労や努力が必要なわけですが、そこをあえて取り組まれるというのは、きっかけやもしくは理念などがあったからではないかと思うのですが、お聞かせいただけますか。

川崎医科大学附属病院 人工股関節専門 三谷 茂 先生 私自身は、手術とはどこの施設でも安全に行えることが重要だと考えています。人工股関節手術に関していうと、安全に行うためには正確にインプラントを設置することが大変重要です。人間の感覚というのはなかなか優れたもので、経験を重ねると手術の正確性はナビゲーションシステムを超えるかもしれません。しかしそのような名人になるまでには長年の経験を要します。確かな技術をもった専門医を短期間で育てるためにも、技術を担保する...すなわち正確な手術を提供できるという観点において、ナビゲーションシステムの有用性は非常に高いと考えています。
 また人工股関節は手術をすればそこで治療が終わり、というものではありません。術後の管理や定期検診なども重要ですし、将来何らかのトラブルが生じる可能性もゼロとはいえず、その際には主治医と相談する必要がでてきます。そのためには、一定以上の知識と技術をもった専門医が多数存在する必要があるとも考えています。

Q.人工関節の耐久性について、患者さんの中でも気にされる方が多いと伺います。40歳代以下の若い患者さんに対して、人工関節になるまでの期間をできるだけ延長するための手術というものをされているそうですが、それは具体的にどのような手術なのでしょうか。

 現在の人工股関節の耐久性は、機種によっても違ってきますが、20~30年程度と考えられています。いずれにしても、永遠に機能する人工関節というものは存在しません。そのため若年者、特に40歳以下の方々には自分の関節が温存できるのであれば、そちらを奨める場合があります。日本人においては、骨盤の成長が理想的ではなく、太ももの一番上の部分を覆い隠す臼蓋(きゅうがい)(*1)が小さな方が多いようです。これは関節の軟骨がすり減る原因となりやすく、将来の人工股関節手術の予備軍になる、ともいえる状態です。そういった方には、関節の軟骨がすり減ってなくなってしまう前に、骨を切って臼蓋の形に細工し、軟骨がすり減りにくくする骨切り手術(*2)を行っています。この手術には本来の関節軟骨を使用する手術と、関節の袋を軟骨の代用とする手術の2種類にわかれており、臼蓋の形や軟骨のすり減り具合に応じて最適な手術法を検討しています。

(*1) 太ももの一番上の部分を覆い隠す臼蓋(きゅうがい)
骨切り手術の詳細について

(*2) 軟骨がすり減りにくくする骨切り手術

Q.骨切り手術を受けられた患者さんのその後はいかがですか?例えば40歳の患者さんで期間を延長するために手術を受けたとすると、どういった経過になることが多いのですか。

 先ほどお話した骨切り手術のうち、本来の軟骨を使用する場合は、60~90%の人が、次の手術を受ける必要がない状態となるようです。一方、関節の袋を軟骨の代用とする手術は、長くて25年程度 で人工関節手術が必要となるようです。

Q.人工関節になるまでの期間を延長する手術、そして人工関節の手術、つまり人工関節手術の前と後の両方を見ておられるわけですが、人工関節についてどのような思いをもっておられますか。

インタビュアー 人工関節手術の利点は、ほぼ確実に痛みがなくなること、早期の退院および社会復帰ができること、につきます。一方、欠点は耐久性の問題と、日常生活の多少の制限および化膿の問題があります。骨切り手術の利点は、人工関節とはまったく逆で、一生関節機能が保つ場合があること、日常生活の制限はあまりないことで、欠点は多少の痛みが残ることがある場合があり、入院期間や社会復帰までに時間を要することです。この2つはどちらが優れているという比較の対象ではなく、股関節の状態(股関節の形や軟骨のすり減り具合)や社会的な状況(年齢、仕事、家庭環境)により、決めるものと考えています。

Q.最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

三谷 茂 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2009.9.14

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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