先生があなたに伝えたいこと / 【藤代 高明】治療に対して確固たる信念と優れた技術を持つ医師のもと、十分な信頼関係を築いた上で、治療を受けていただきたいと思います。

先生があなたに伝えたいこと

【藤代 高明】治療に対して確固たる信念と優れた技術を持つ医師のもと、十分な信頼関係を築いた上で、治療を受けていただきたいと思います。

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院) 藤代 高明 先生

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院)
ふじしろ たかあき
藤代 高明 先生
専門:股関節

藤代先生の一面

1.休日には何をして過ごしますか?
 学会や研究会などに積極的に参加することが多く、なかなか十分な時間は取れませんが、やはり家族と過ごす時間を大切にするように心がけています。

2.最近気になることは何ですか?
 患者さんに直接手術を行う外科医として、それぞれの患者さんに対してどのような治療がよいのかをいつも考えています。また患者さんの期待に沿えるように自分自身の知識や技術が向上するように常に挑戦し、最近では後進の指導や患者さんと病院とのネットワーク作りに興味を持っています。

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先生からのメッセージ

治療に対して確固たる信念と優れた技術を持つ医師のもと、十分な信頼関係を築いた上で、治療を受けていただきたいと思います。

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院) 藤代 高明 先生Q. 先生は以前からチーム医療の重要性を訴えられておられますね。

A. 「For our team! For our patients!」(患者さんのために一人ひとりがチームに貢献する)。これを掲げて治療にあたっています。現在の医療は、整形外科に関わらず医師一人では成り立たず、理学療法士や看護師など医師以外の医療従事者との連携が非常に重要です。そこで股関節治療チームとして、医師、理学療法士、看護師が相互にコミュニケーションを取り合い、それぞれが向上していけるように同じ目標を持って、努力できる環境作りを大切にしています。お互いの得意分野があって、それぞれの違う見方も尊重し、それらを一方通行ではなく共有することで、「患者さんに喜んでいただける治療」が実現すると思いますから。

Q. 具体的に、チームとして取り組んでおられることは?

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院) 藤代 高明 先生A. 例をあげますと、週1回は必ずミーティングを行い、患者さん一人ひとりについて、最適な治療と今後の方針について意見交換をしています。もちろん普段から患者さんの声は私に届くようになっていますけれども、患者さんって医師にはなかなか本音がいえないと思うんですよ。この場合、「大丈夫ですか?」「大丈夫です」となってしまいがちなんですね。その点、看護師や理学療法士には、どこが痛いとか不自由だとか素直にいわれますので、その声を生かして治療に反映させたり、こちらから患者さんへアドバイスをしたりといったことをとても大切にしています。ほかには学会活動ですね。看護師部門や理学療法士部門のある学会については、できるだけ看護師や理学療法士に研究発表してもらっています。チーム全体の学術的、見識的なレベルを高めていけるようにしています。

Q. ありがとうございました。次に、手術への取り組みをお伺いしたいと思います。まず、人工股関節手術にはどのような種類があるのでしょうか?

A. 人工股関節全置換術骨切り術関節鏡視下手術人工股関節再置換術などがあります。
さまざまな股関節関連疾患による機能障害に対応できるように、長年積み上げてきた経験と知識を駆使し、選択した手術治療を安全かつ正確に行えるよう努力しています。

Q. では、各手術について、もう少し詳しく教えてください。人工股関節全置換術とはどのような手術なのでしょうか?

A. 我々が行う最も頻度の高い手術治療であり、非常に安定した成績が得られる、確立された手術のひとつです。そのなかで疾患、年齢、個々の患者さんの活動性、股関節の形、骨質などに応じ、最適と考えられる人工股関節の機種、材質(金属、ポリエチレン、セラミックなど)、固定法(骨セメント非使用もしくは使用)を選んで手術を行っています。具体的には、当院ではセメントレスといって骨セメントを使用しない人工関節を第一選択としています。また、可能な限り骨を削る量を少なくすることができる形状の人工関節を使用しています。摺動面(しゅうどうめん:人工関節のこすれ合う面)のタイプは、セラミック(のボール)とポリエチレン(のカップ)の組み合わせを選択することが多いのですが、活動性の比較的高い60歳以下の患者さんには、摺動面に摩擦の少ないセラミック同士のものを選択することがあります。また50歳以下の非常に活動性が高い男性には、骨頭径(こっとうけい:大腿骨の頭の部分の大きさ)を大きくすることができて、ほとんど脱臼することがない、表面置換型人工関節を選択することもあります。しかし、摺動面が金属同士なので体内に金属イオンが出てきてアレルギー等の悪さをするリスクが少なからずありますから、患者さんのご希望と我々の意見とを総合して判断し実施することになります。

表面置換型人工股関節

ナビゲーションシステムイメージ術式では、MIS(最小侵襲手術)でもいくつか種類がありますが、我々は7~10cm程度の小皮切での手術が可能で、筋肉などの組織を温存できる手術法を用いています。筋肉を温存しますとリハビリもスムーズで早期の回復が見込めますから。これまでの実績では、変形の度合などでどうしても無理な患者さん以外、95%は筋肉の温存ができています。さらに、先端的な医工学技術を応用したコンピュータナビゲーションシステムを、ほとんどの患者さんの手術で使用しています。経験のある専門医が手術を行っても、人工関節の設置位置にはある程度のばらつきがあることが報告されています。このナビゲーションシステムを活用することで、より高い精度で正確な手術を行うことで、患者さんにとってより良い治療が可能になります。

寛骨臼回転骨切り術Q. 次に骨切り術についてお伺いします。

A. 臼蓋形成不全を有する20歳から50歳くらいまでの比較的年齢が若く、股関節を温存することが可能な症例には、寛骨臼回転骨切り術を積極的に行っています。これは、股関節の屋根の部分を球形に骨切りし、少しずらして屋根の覆いを大きくして荷重面積を増やし、力学的なバランスを改善させる手術です。人工股関節に比べ術後のリハビリ期間が長く社会復帰まで幾分時間がかかりますけれども、自分の骨で関節を再建できるのがメリットなんですね。また術式ですけれども、股関節機能にとって大事な「中でん筋」という筋肉が骨盤の外側を通っていますので、我々は、骨盤の内側から骨切りを行い、この大事な筋肉を損傷することのない低侵襲の臼蓋骨回転切り術(Curved periacetabular osteotomy:CPO)を習得し採用しています。CPOは10cm程の傷で、筋肉を傷つけないのでリハビリによる回復が早くなりますし、また若年女性にとっては皮切位置が下着に隠れる場所になるということも喜ばれています。

Q. 骨切り術の場合、将来的には人工股関節置換術が必要になるのでしょうか?

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院) 藤代 高明 先生A. その可能性はゼロではありませんが、変形が少なければ骨切り術で一生保つことは十分に期待できますし、もし人工関節手術が必要になるとしても、20年、30年先ということが多いと思います。私は患者さんに、「骨切りで一生お過ごしいただけますが、時として人工関節になるまでの時間を稼ぐ手段となることもあります」ということをきちんと説明しています。

Q. 股関節鏡視下手術についてはいかがでしょう。どのような症例で用いられるのですか?

A. 近年明らかになってきた病態に、股関節を曲げたときに大腿骨頭の前方と骨盤の前方が衝突することによって起こるFAI症候群というのがあり、主にこの症例で行うことが多い手術なんです。FAI症候群は、骨盤の骨と大腿骨とが衝突を繰り返すことによって、関節唇という軟骨が断裂や変性をきたし、スポーツ活動や日常生活動作に影響を与える病気です。

FAI症候群

FAI症候群

関節唇(かんせつしん)と呼ばれる部分が大腿骨と接触し損傷する

スポーツ選手に多いのですが、生まれつきぶつかりやすい骨格をされている方もおられます。これに関してはすぐに手術というのではなくて、薬物療法や筋力トレーニングなどの理学療法をしっかりと行うことで改善されるケースも多いんです。その際、なぜ痛むのかを患者さんご自身に理解していただき、足の曲げ方など日常動作も指導します。それでも痛みが残ったり、スポーツ活動などに支障があったりする場合に手術を行います。内視鏡の一種である関節鏡という器具を用いて、関節唇の縫合や再建を行います。合わせて大腿骨側では衝突部の骨の切除なども行います。内視鏡での手術ですので傷は小さいのですが、入院期間が4~6週間かかりますので、比較的長い目で見ていただく必要はあるのかなと思います。まだ短期的な治療成績ではありますが、術後早期より疼痛(とうつう)の改善が得られ、満足のいく効果が得られています。

Q. 人工股関節再置換術については、その件数が年々伸びているそうですね。

A. はい。人工股関節は、臼蓋側のポリエチレンライナーの摩耗によりできた摩耗粉が、人工関節と骨の間に入ることで骨融解(人工関節周囲の骨が溶けてくる現象)がおこり、ゆるみが生じてくるという問題があります。以前は人工股関節の寿命は通常15年から20年といわれていました。現在では人工股関節自体の質がかなりよくなっていますから20年以上は大丈夫とされていますが、20~30年前に手術をされた方が80代、90代になられてもお元気で生活をされるようになってきたことから、その間にゆるみが生じて再置換ということが多くなっているんです。最近では40代、50代といった若い方にも手術が行われるようになっていますので、再置換をあらかじめ考慮しての人工股関節置換術が、ますます必要になってくるのではないでしょうか。

Q. 再置換手術には難しさもあるようですね。

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院) 藤代 高明 先生A. ええ。再置換術は高い技術と経験が必要となる手術で、対応できる病院や医師も限られています。特に若い年齢で人工股関節全置換術を考えておられる患者さんは、将来のことを考慮した上で手術を受けられる病院、医師を選ぶべきであると私は思います。我々は20年から40年先の将来まで見据えた治療法を選択するように努力しています。また、手術を行うだけでなく、術後の経過を注意深くまた長期にわたってフォローしていくことが重要だと考え、患者さんに十分な説明をして信頼関係を築いた上で治療を行うよう心がけています。

Q. なるほど。何十年も先までを見越して人工股関節手術を受けることが大事なのですね。

A. おっしゃる通りです。私は患者さんやそのご家族に、「退院されても、来ていただける間は1年に1度は必ず検診に来てください」とお伝えします。私の信念として、「手術をした医師、手術をした施設がずっと責任を持つべき」だと思っていますから。もちろん20年後、私が手術をした患者さんを私が診ることはないのかもしれません。けれども次の代に必ず引き継いでいきますし、私も先輩方の患者さんを引き継いできました。

Q. ありがとうございました。最後に、患者さんがよりよい人工股関節全置換術を受けるためのアドバイスをお願いします。

神戸大学医学部附属病院(現 愛仁会 高槻病院) 藤代 高明 先生A. 人工股関節全置換術は改善される効果が大変はっきりとしており、除痛効果も優れた満足度の高い手術です。しかしながら"一度行うと後戻りのできない手術"でもあります。ですから患者さんは、ぜひ医師に、「20年後、30年後はどうすればいいでしょう」とお聞きになってみてください。それであやふやな答えしかなく不安を覚えられたらセカンドオピニオン(検査や治療について主治医以外の医師に意見を求めること)も利用され、信頼できると感じられた医師のもとで手術をされるのがいいと私は思います。
医師としては、後戻りのできない手術ゆえに手術適応は十分に考慮しなければならないと考えています。したがって人工股関節置換術以外の選択肢を考えることも大切ですし、再置換や合併症などが発生したときに、施設として将来的に対応できるかどうかも重要なポイントになると思います。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

藤代 高明 先生からのメッセージ

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取材日:2013.6.26

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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