先生があなたに伝えたいこと / 【副島 義久】「患者さんがどうしたいのか」を、できる限り叶えられるように治療するというのが、私の治療の基本方針です。

先生があなたに伝えたいこと

【副島 義久】「患者さんがどうしたいのか」を、できる限り叶えられるように治療するというのが、私の治療の基本方針です。

副島整形外科 副島 義久 先生

副島整形外科
そえじま よしひさ
副島 義久 先生
専門:股関節

副島先生の一面

1.最近気になることは何ですか?
世の中の流れ、特にテロなどの国際情勢が不安です。世界のどこに行けば安全なのでしょうね。

2.休日には何をして過ごしますか?
実は馬主で、パドックニストと呼ばれています(笑)。休日はずっとパドック(※)にいますよ。

※競馬場内のレース前の下見を行う所

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先生からのメッセージ

「患者さんがどうしたいのか」を、できる限り叶えられるように治療するというのが、私の治療の基本方針です。

Q. 今回は股関節疾患とその治療法についてお伺いします。まず主な疾患について教えてください。

A. 一番多いのは変形性股関節症で、次に大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)です。変形性股関節症は、クッションの役割をする軟骨がすり減ることで痛みや変形が生じます。大腿骨頭壊死症は骨頭への血流が妨げられて、その内部が壊死してしまう疾患です。どちらも女性の割合が高いのが特徴です。

変形性股関節症

大腿骨頭壊死症

Q. 変形性股関節症、大腿骨頭壊死症の原因とは何なのでしょうか?

A. 8割、9割は特発性(とくはつせい)でしょう。特発性というのは、医学的には原因がはっきりとわからない、ということです。特発性の原因には、変形性股関節症では老化とか肥満など、大腿骨頭壊死症ではアルコールやステロイドの過剰摂取などがあげられます。のこり2割程度が、変形性股関節症では寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)、先天性股関節脱臼、外傷などで、大腿骨頭壊死症では骨折などの外傷から引き起こされる、いわゆる続発性(ぞくはつせい)です。このうち先天性股関節脱臼については、日本では昭和35年を境に治療用の装具が浸透したこともあって、これに続発する変形性股関節症がかなり少なくなりました。

正常 寛骨臼形成不全 先天性股関節脱臼

副島整形外科 副島 義久 先生Q. 治療法についてはいかがでしょう。すぐに手術が必要ですか?

A. 根治的ということでは、最終的には人工股関節の適応になるんだろうと思いますが、初期なら保存的な治療で経過を診ることもあります。たとえば股関節は体重を支えていますから、体重を落とすことが大事です。現在、肥満治療として「5%減量」が推進されています。また、できるだけ股関節に負担をかけない、すなわち、股関節を有限の資源と考えて生活することも大事です。痛みがあっても日常生活に大きな問題がなく、患者さんが「このままでいきます」という場合は、それをサポートするために股関節周囲の筋肉を鍛えるトレーニングをしながら、消炎剤の投与やヒアルロン酸の注射などを、症状に応じて行います。これは変形性股関節症でも大腿骨頭壊死症でも基本的に同じです。

Q. では手術を行うのに適切なタイミングというのは?

定期検診 イメージA. これは患者さんによります。特に変形性股関節症の場合は、変形の程度だけで手術を決定するわけではありません。程度がひどくても「私は大丈夫」という場合もありますし、逆に、程度が軽くても痛くて歩けない、生活が成り立たないというときには、早めに手術をして日常を取り戻すほうが良いと思います。したがって医師としては、手術をせずに保存療法を継続する場合と、手術の場合それぞれの詳細な情報、メリット、デメリットなどを正確にお伝えして、患者さんが納得をされた上で手術を希望されたときが、一番良い時期だと考えます。変形性股関節症は命に関わる病気ではありませんから、緊急に手術をする必要はありません。旅行に行きたいと強く訴えられれば、「それなら手術するほうが良いだろうね」とアドバイスをすることもありますし、「旅行には行かなくて良い、生活ができれば良い」ということでご本人が納得されていれば、「このまま上手に付き合っていきましょう」と提案することもあります。

Q. 大腿骨頭壊死症でも、手術のタイミングについての考え方は同じなのですか?

A. 大腿骨頭壊死症は、ほとんど進行しない場合もありますが、進行するときには変形性股関節症のように徐々にではなく、かなり早いスピードで骨頭が潰れていきます。したがって、レントゲン写真などの客観的なデータを見ながら早目に手術したほうが良いことが少なくありません。この手術は人工股関節になることが多いと思います。あまり長く様子をみているのは、治る希望がないまま時間が過ぎていくだけでなく、筋肉の収縮にもつながりますから避けたほうが良いと思います。

副島整形外科 副島 義久 先生Q. 人工股関節にすると痛みは取れますか?

A. 傷んでいる部分が人工物に代わるのですから、そこでの痛みは起こらないと考えて良いでしょう。周辺の筋肉や皮膚を切ったことによる痛みや、筋肉のこわばりが出ることもありますが、時間とともに収まっていきます。

Q. わかりました。ところで人工股関節手術以外の手術の選択肢はないのでしょうか?

A. 今は人工股関節が非常に良くなっていますから、幅広く人工股関節手術が行われるようになっています。しかし、耐用年数の問題もありますので、若年の場合や活動レベルの高い方には別の方法も考慮します。それが骨切り術で、ご自身の骨を残しながら、骨の角度や向きを変えて、痛みを発しているところから荷重を逃がします。疾患や状態に応じて、骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)の周りを切って回転させる、寛骨臼回転骨切り術(かんこつきゅうかいてんこつきりじゅつ)や、大腿骨頭(だいたいこっとう)の下の部分を切って内側に傾けたりする大腿骨内反骨切り術(だいたいこつないはんこつきりじゅつ)など、いろいろな方法で荷重の方向を変えて痛みを抑えます。しかし、100%痛みを取ることはできず、70%程度かなと思います。また、人工的に骨折を起こすわけですから、骨が付くまでの間は体重がかけられません。それでも、人工股関節手術までの時間を延ばすのにとても有効ですし、うまくいけばそのまま一生大丈夫な場合もあります。

寛骨臼回転骨切り術

副島整形外科 副島 義久 先生Q. 人工股関節の耐用年数はどれくらいなのでしょうか?

A. 以前は15年といわれていました。そのため、65歳、70歳まで痛みをコントロールしたり生活のレベルを下げたりして、我慢してもらってから手術というのが治療の流れでした。しかし、現在は人工股関節を正確に設置することができてトラブルがなければ30年、40年は大丈夫だと思います。50歳で入れても90歳です。

Q. すごい進歩ですね。具体的にはどのような改良がされたのでしょうか?

A. 人工股関節の関節に相当する部分は、寛骨臼側に入れる金属のカップと、大腿骨側の骨頭ボールで成り立っていて、その間に、関節の軟骨に相当するポリエチレンのライナーを装着します。このポリエチレンは、骨頭ボールとこすれ合うことで徐々に摩耗していくのですが、昔はそのスピードが早く、患者さんが異常を訴えてきたときには、もうほとんどポリエチレンの厚みがなくなっていました。こうなるとカップとボールの間に空間ができて脱臼してしまうのです。摩耗する際にでる破片を摩耗粉(まもうふん)と呼びますが、人間の体は摩耗粉を異物として認識し、攻撃してしまうことで骨も溶けてしまいます。それが今では、ポリエチレンが改良されて摩耗のリスクが大幅に低減しました。また、摩耗しにくいのでライナーを薄くすることができ、その分、骨頭ボールは大きなものが入れられます。そうすることで安定性が増し(ジャンピングディスタンスの増大)、脱臼のリスクをさらに大きく低減させることができました。

人工股関節

骨頭ボールが小さい場合 骨頭ボールが大きい場合

Q. そのような進歩があって、人工股関節手術の年齢的な制限は低くなった、というわけですね。人工股関節は、骨折の治療にも使われているそうですね。

A. 特に若年性の大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)症例には、人工股関節を第一選択にする医師も多いのではないでしょうか。大腿骨は転倒や交通事故で折れやすい部位です。折れると、血管が走っているので壊死してしまうのです。もちろん、骨接合術を試みますが、それでも壊死してしまうことがあります。大腿骨頸部骨折の治療にはプレートでの固定や、髄内釘(ずいないてい)を用いることもありますが、痛みを伴わずに、より自然な関節の動きを再現するために、私は人工股関節を選択しています。
人工股関節は、仮に30年後に入れ換えることになっても、また脱臼や感染のリスクが全くないわけでないとしても、関節としての機能を果たせる重要性は高いと思っています。もちろん、リスクについても患者さんにお話しして治療法を選ぶのですが、多くの研究者や企業の力でここまで進歩した人工関節を、できる限り有効に使いたいと思っています。

副島整形外科 副島 義久 先生Q. 大変よくわかりました。では手術手技の進歩についてはいかがでしょうか?

A. いろいろ進歩していますけれども、ベースの部分で何かが大きく変わるということはなくなってきました。つまり、以前から結構正しいことをしていたということです。
まず、切開して患部に進入する方法(アプローチ)については、今でも主流は後方からのアプローチですが、後ろに脱臼するリスクが高いのであまり良くないのではないか、といわれたこともあって、前方や前側方からのアプローチが注目されました。でも、実はあまり脱臼のリスクは変わらないというデータも出てきています。また前方からの進入は、後方に比べると、よけないといけない組織がたくさんあったりして手術時間が少し長くかかるんです。
もうひとつは、傷をなるべく小さくするMISという手法(最小侵襲術)です。それも早期には回復が早いというメリットがありますが、中長期的には満足度や成績に差はないこともわかっています。大事なことは、「人工股関節を正確に入れて、感染のリスクを下げるため早く開創部分を閉じること」です。だから私は後方からのアプローチで、術野をしっかり確保して手術をしています。

Q. ありがとうございました。人工股関節手術では入院期間はどれくらいですか? また退院後の生活で、患者さんが気をつけたほうが良いことはありますか?

A. 入院は基本2週間です。年齢や回復具合によっては3週間ぐらいです。中にはすっかり良くなって、スキップしながら帰られる方もあって(笑)、そういう光景を見ると本当にうれしいです。
退院後は、生活レベルはかなり上がると思います。動作の制限など、そんなに気にしていただくことはありません。脱臼肢位(だっきゅうしい:脱臼するような姿勢)や、無茶な動きはしないようして、やりたいことをどんどんしていただければ良いと思います。まずはしっかりご飯を食べて、動いて、元気でいること。それが一番(笑)。

副島整形外科 副島 義久 先生Q. 心強いお言葉ですね、最後に、先生が治療をされる上で大切にされていることをお聞かせください。

A. 学問的な医者と、患者さんに迎合するタイプの医者があるとすれば、私は後者です。患者さんがどうされたいのか、治療も手術後の生活も、さらには将来の人生についても...。
「患者さんがどうしたいのか」を、できる限り叶えられるように治療するというのが、私の治療の基本方針です。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

副島 義久 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2016.1.19

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

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