先生があなたに伝えたいこと / 【真柴 賛】人工膝関節単顆置換術(UKA)は患者さんの満足度が非常に高く、メリットが大きい手術だと実感しています。

先生があなたに伝えたいこと

【真柴 賛】人工膝関節単顆置換術(UKA)は患者さんの満足度が非常に高く、メリットが大きい手術だと実感しています。

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生

香川大学医学部附属病院
ましば たすく
真柴 賛 先生
専門:膝関節

真柴先生の一面

1.休日には何をして過ごしますか?
 子どもが4人いまして、一番下の6歳の子と一緒に遊ぶことが特に多いです。

2.最近気になることは何ですか?
 日本と近隣諸国との関係ですね。趣味の話では、自動車いじりが好きで、新しいパーツが出たとかクルマ関連の情報が気になります(笑)。

携帯・スマートフォンサイトもチェック!

携帯電話・スマートフォン

バーコードリーダーで読み取ってください。携帯電話・スマートフォンからもご覧いただけます。
http://kansetsu-itai.com/m/interview/dr86.php

*携帯電話・スマートフォンからアクセスしていただく場合、パケット通信料は、お客様のご負担となりますので予めご了承ください。

QRコード

先生からのメッセージ

人工膝関節単顆置換術(UKA)は患者さんの満足度が非常に高く、メリットが大きい手術だと実感しています。

変形性膝関節症と骨壊死

Q. 人工膝関節の適応となる膝の疾患には、どのようなものがあるのでしょうか?

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生A. 患者さんの数でいえば、圧倒的に多いのが変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)、次が骨壊死(こつえし:骨組織や細胞が死んでしまうこと)です。リウマチに関しては、生物学的製剤の普及によって、人工膝関節手術の症例はずいぶん少なくなりました。

Q. 変形性膝関節症の性別、年齢別の傾向について、また、原因は何でしょうか?

A. 変形性膝関節症は多くの場合、明らかな原因がなく中年以降の女性、肥満の方あるいは若い頃にスポーツや重労働で膝を激しく使った方、そういう方が発症するケースが多いです。いわゆる一次性よりは二次性ですね。ですから誰でもなる可能性があります。

Q. 骨壊死についてはどうなのでしょうか?

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生A. 以前は、原因不明で骨の中の血流が悪くなって骨が潰れるといわれていましたが、最近の研究ではだいぶ見方が変わってきています。それは、骨壊死の前には、半月板損傷があることがわかってきました。特に多いのが半月板の内側の損傷で、なかでも後ろ側の端の部分を損傷しますと、半月板は完全に切断され、本来持っているクッションの役割がまったく果たせなります。こうして骨と骨とが直接ぶつかることで、もともと骨が脆弱(ぜいじゃく:もろい状態)である場合には骨が潰れて骨壊死を発症する、そういうケースが非常に多いことがわかってきました。

右膝の正面図

Q. 半月板損傷を早めに治療すれば骨壊死を免れるのですか?

A. それは十分あり得ますね。しかし半月板損傷は、この後ろ側というのが外科的に縫うことが困難なのです。治療をしても、今後、もしかしたら潰れるかもしれません、という前提条件つきの場合もあります。

Q. 半月板の縫合手術を行っても、骨壊死の可能性は少なからずあるわけですね。

A. そういうことです。その場合は半月板損傷が早期であれば縫合手術をして、さらに高位脛骨骨切り術を行って骨の向きを変えることで、内側など片方にかかっていた荷重の負担を分散するという処置を施すことが可能です。

高位脛骨骨切り術

Q. わかりました。では骨壊死を起こしてしまった場合の治療法は?

A. 人工膝関節単顆置換術(UKA)が有効だと考えます。この手術についてはのちほど少し詳しくお話しますが、術後の成績は良好です。いろいろな考え方がありますが、私自身はぜひ多くの整形外科医に採用していただきたい手術だと考えています。

Q. 変形性膝関節症や骨壊死の治療の選択肢として、保存的治療もあるのですか?

足底板A. ごく早期ですと消炎鎮痛剤の投与やヒアルロン酸の関節内注射で、ある程度は長く保たせることは可能だと思います。また変形性膝関節症なら特殊な足底板を装着していただくこともありますし、骨壊死なら骨を強化する薬を使うのも有効かもしれません。いずれにしても、大切なことは減量と筋力トレーニングです。特に近年、患者さんご自身が気軽にできる大腿四頭筋を鍛える運動の効果が見直されています。「仰向けに寝て脚を片方ずつ30度くらい上げてしばらく静止する」、「椅子に座って片足ずつ伸ばして静止する」などの運動を毎日繰り返すことは、やってみる価値があると思いますね。

人工膝関節手術について ~UKAとTKA~

Q. 膝関節の手術について先生のお考えをお聞かせください。

A. まず、高位脛骨骨切り術と人工膝関節単顆置換術(UKA)の使い分けについてですが、変則型(膝関節の内側が損傷しているが外側は正常)のようなケースの変形性膝関節症や骨壊死については、大半をUKAで対処しています。以前は、骨切り術こそが患者さんの満足度が高い手術だろうと考えていました。なぜなら、患者さん自身の骨が残るので違和感が少ない手術であると考え、かなり積極的に行っていました。ただし問題点として、我々医師が術前の計画で、角度を何度にして骨をこう切れば良いと思っても、人間の体ってなかなか思い通りにはなってくれないんです。

手術後のレントゲン写真術後のレントゲン画像は当初の計画通りなのだけれども、痛みが残るという患者さんがある程度の確率でいらっしゃるんです。それで痛み止めの注射を続けていらっしゃるとか。そういう方は、もう一方の膝関節が痛くなったら人工関節を希望されます。一方の脚を骨切り術、もう一方をUKAということですが、UKAの満足度が圧倒的に高い。骨切りと同じくらい良いといわれる方が大体1/3、残り2/3の方はUKAをやった膝のほうが調子が良いといわれます。こうしたことがあって、骨切り術からUKAにシフトしてきたという経緯があります。
ただし、骨切り術をやめているわけではなくて、激しいスポーツを希望されるようなお若い患者さんで、変形が軽度の場合には今でも行っています。しかしそれも全体の5%以下でだんだん少なくなってきています。

全人工膝関節置換術(TKA)

全人工膝関節置換術(TKA)

人工膝関節単顆置換術(UKA)

人工膝関節単顆置換術(UKA)

Q. では人工膝関節単顆置換術(UKA)と全人工膝関節置換術(TKA)は、どのような使い分けをされているのでしょうか?

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生A. UKAができない患者さんに対してTKAを行うということで、これは明確ですね。UKAができない患者さんというのは、膝関節の内側も外側も損傷している方や、前十字靭帯などの靭帯が完全に切れてしまっている方、膝が20度以上伸びない、90度以上曲げられないという方などです。TKAはある程度変形が進んでいても、また膝が曲がっていても、脚をまっすぐにして痛みも取る、整形外科を代表する機能回復の手術であるといえます。

Q. たとえば内側にUKAをし、のちに外側が傷んでくるということはないのでしょうか? また、その場合はどのような手術を行うのですか?

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生A. UKAをしていない側が傷むことはあります。その場合、一般的にはUKAを取ってTKAをあらためて行うことが多いだろうと思います。しかし、私の担当した患者さんの中に、UKAをしていない側が変形したのではなく、不幸にも骨壊死を起こされた方が2人おられましたが、その際、私はUKAを追加する選択をしました。

Q. UKAを追加するということもできるのですね。

A. はい。なぜそういう選択をしたかといえば、通常、UKAのあとにTKAをするとどうしても可動域(かどういき:人工関節が動く角度)が悪くなりますが、UKAを追加した場合はそうはならないからです。ただ、最初に入れたUKAとバランスを調整して入れないといけないなど、技術的には難しくなります。

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生Q. 大変よくわかりました。UKAもまた、患者さんにとってメリットが大きいのですね。

A. ええ。まず膝の片側だけの、しかも表面置換(ひょうめんちかん:関節面の骨を削って人工関節にすること)ですので、傷が小さく筋肉もほぼ傷めずに手術ができ、術後の回復が早いです。当院ではTKAの入院期間は3週間から4週間ですが、UKAは2週間で、杖なしで帰って行かれる方がほとんどです。そしてなんといっても靭帯が残りますから、ご自分の膝に近い自然な動きが確保できます。正座や小走りができるようになる方も多く、日常生活は問題なく過ごしていただけますよ。

Q. 耐用年数はどれくらいでしょうか?

A. TKAですと30年は保つだろうと思います。UKAに関しては、当院ではUKAの人工関節が緩んだとかすり減ったという事例はこの10年間ではありませんので、20年くらいは大丈夫だろうと思います。

Q. 人工関節を入れ換える「再置換手術」を視野に入れておく必要はありそうですね。

A. そうですね。ですがそうであったとしても、最近では、若い方になればなるほど骨切り術よりUKAを選択されるケースが増えていますし、満足度も高いんですね。サッカーはできないにしてもゴルフやテニスはできますし、私の患者さんでボーリング選手として香川県の選手権で活躍されている方もおられます。こういった適度なスポーツをするにあたっては、骨切り術と遜色ない上に、早く社会復帰できるのもメリットです。ですからこれは骨切り術にもいえることですが、一生保たせるというよりは、人工膝関節を全置換するまでの時間稼ぎという側面もあると思います。若いうちは、自然の膝に近いUKAで早期に社会復帰して生活を楽しんでいただき、一度のTKA再手術で残りの人生を過ごしていただく。そんな風な治療計画もおおいにありだと思っています。

Q. UKAを受けられた患者さんが、退院後に特に気をつけたほうが良いことは?

A. できることは何でもやっていただいて良いと思うんですね。ただし表面置換では骨折が怖いですから、転倒や交通事故にはもちろん気をつけていただきたいですし、高いところから飛び降りるなどは避けていただきたいです。

Q. 最後に、人工膝関節手術を受けられた患者さんに一言お願いします。

香川大学医学部附属病院 真柴 賛 先生A. なぜ人工膝関節手術をするのかといえば、痛みから開放されることはもちろんですが、「人生を楽しむため」という患者さんもすごく多いんですね。それを叶えることができた手術だということをしっかりと心に留めていただき、検診には毎回きちんと来て、より安心な毎日を過ごしていただきたいと思います。検診で緩みやすり減りの兆候を見つけられれば、こちらから生活習慣についてアドバイスをさせていただくことができます。継続的に診させていただくことは、その患者さんご本人のみならず、あらゆる患者さんに結果や情報をフィードバックするためにも、とても重要だと思います。

Q. 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。

真柴 賛 先生からのメッセージ

※ムービーの上にマウスを持っていくと再生ボタンが表示されます。

取材日:2014.7.10

*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。

先生の一覧へ戻る

病院検索をする

ページトップへ戻る

先生があなたに伝えたいこと

股関節股関節

膝関節膝関節

肩関節肩関節

肘関節肘関節

足関節足関節

手の外科手の外科

脊椎脊椎

病院検索 あなたの街の病院を検索!

先生があなたに伝えたいこと 動画によるメッセージも配信中!